首里城甍
 
今日(ちゅう)ぬしてぃみてぃ、テレビ点(ち)きたれえ、うすまさるニュースぬ入(い)っち来(ち)ゃあびたん。

 首里城(うぐしく)ぬ燃(め)えとおんでぃち、アナウンサーやむさげとおいびいたん。ただぬ火事(くゎじ)ばあばあ小(ぐゎあ)どぅやるんでぃ思(うむ)とおいびいたしが、百歌添(むんだしい)ぬうすまさ、燃えとおる姿(しがた)ぬ映(うつ)とおいびいたん。アナウンサーぬ語いや、たった、まぎくなやあに、南(ふぇえ)ぬ御殿(うどぅん)、北(にし)ぬ御殿迄(までぃ)ん、諸燃(むるめ)えいそおんでぃぬ事やいびいたん。
 くれえ一大事(いちでえじ)な事なとおいんでぃ、思(うみ)いてぃん、如何(ちゃあ)んないるむのおあいびらん。「何(ぬ)が何(ぬう)んでぃち、何が何んでぃち」んでぃ、叫(あ)びやがなあ、肝(ちむ)ん肝ならん心地(くくち)なやびたん。
 やいびいしが、何時(いち)迄ん、気(ち)る垂(だ)いさい、肝暮(ちむく)りたいそおてぃん、何ぬ前あがちんないぬむのおあいびらん。
 うちなあんちゅぬ肝揃(ちむず)いさあに、必(かんな)じ、再建(まただてぃ)し、行(い)ちゅる如(ぐとぅ)、御衆様(ぐすうよう)、御(う)まじゅん、考(かんげ)えてぃ行ちゃびらな。
百万県民ぬ銭んでえ、募ちゃあしいしいねえ必ず再建ないびいん。

注:写真や早(ふぇえ)くに撮(ぬ)じゃる北ぬ御殿まんぐら。
注:「百浦添」ぬ「百」や「多くぬ」、「浦」あ「国、村、島」また「添」や「治」ぬ当て字やいびいん。やぐとぅ、「多くぬ村々、島々ゆ治みゆる」「御殿」んでぃぬちむええなとおいびいん。


【語句】
今日ぬしてぃみてぃ、テレビ点きたれえ=今朝、テレビをつけてみたら
うすまさるニュースぬ入っち来ゃあびたん=とんでもないニュースが飛び込んできました。非丁寧文「~来ちゃん」。

 首里城ぬ燃えとおんでぃち=首里城が燃えていると
アナウンサーやむさげとおいびいたん=アナウンサーは騒いでいました。非丁寧文「~むさげえとおたん」。
ただぬ火事ばあばあ小どぅやるんでぃ思とおいびいたしが=ただのボヤぐらいに思っていましたが、非丁寧文「~思とおたしが」。
百裏添ぬうすまさ、燃えとおる姿ぬ映とおいびいたん=正殿が激しく燃える映像がありました。非丁寧文「~映とおたん」。
アナウンサーぬ語いや、たった、まぎくなやあに=アナウンサーの話はどんどん大げさになり
南ぬ御殿、北ぬ御殿迄ん=南殿、北殿までも
諸燃えいそおんでぃぬ事やいびいたん=全焼しているとの事でした。非丁寧文「~事やたん」。

くれえ一大事な事なとおいんでぃ、思いてぃん=これは一大事だと思っても、
如何んないるむのおあいびらん=どうにもなるものでもありません。非丁寧文「~むのおあらん」。
「何が何んでぃち、何が何んでぃち」んでぃ=「なぜ、なぜ」と、
叫びやがなあ、肝ん肝ならん心地なやびたん=叫びながらも、心の置き所がない気持ちでした。非丁寧文「~心地なたん」。

やいびいしが、何時迄ん、気る垂いさい=ですが、何時までも気落ちしたり
肝暮りたいそおてぃん=滅入っても
何ぬ前あがちんないぬむのおあいびらん=何一つ、前に進む事はできません。非丁寧文「~むのおあらん」。

うちなあんちゅぬ肝揃いさあに、必じ=沖縄人の心を一つにして、必ずや
再建し、行ちゅる如、御衆様=再建していけるよう、皆様方、
御まじゅん、考えてぃ行ちゃびらな=一緒に行動しようではありませんか。非丁寧文「~行かな」。
百万県民ぬ銭んでえ、募ちゃあしいしいねえ=百万県民が募金すれば、
必じ再建ないびいん=きっと、再建はできます。

注:写真は以前に撮った北殿付近
注:百浦添」の「百」は「多くの」、「浦」は「国、村、島」また「添」は「治」ぬ当て字です。したがって、「多くの村々、島々を統治する」「御殿」という意味になります。