前(めえ)ぬ記事(ちじ)からぬ続(ちじ)ち

三(みい)ちに
 後(あとぅ)じいぬ敵討(てぃちうち)ぬ場面まんぐらあからあ、原国兄弟(はらぐにちょうでえ)んでえ、出(ん)じゆる人(ちゅ)ぬ多(うほう)くなてぃ来(ち)ゅうしん、他(ふか)ぬ組踊(くみをぅどぅい)と変(か)わとおいびいん。ただ、今(なま)小説とぅか映画ねえし、前予(めえかに)てぃぬ徴(しるし)ん見(み)しらんようい、出(ん)じゃすせえ、今前(いまめえ)やあらのおあいびんしが…。

 原国兄弟ぬ谷茶按司、討ちゅる話や、玉城朝薫世(たまぐしくちょうくんゆう)ぬ「二童敵討」んかい、いやでぃん似(い)したるむぬがやら分かやびらん。

四(ゆう)ちに
 乙樽(うとぅだる)とぅ谷茶(たんちゃ)ぬ言(い)ちゃい外(は)んちゃいぬ差(さ)し詰(ち)まいとぅ可笑(うか)しさぬ違(ちが)うるうさあに、混(まん)きらっとおる所(とぅくる)お、後々(あとぅあとぅ)、悲劇ぬ中(なあか)んかい喜劇ぬ混んち行ちゅる沖縄芝居(うしなあしばい)ぬ形枕(かたまっくゎ)とぅなてぃ行(ん)じゃる風儀(ふうじ)ぬある事やいびいん。

五(いち)ちに
 乙樽ぬ使(ちけ)えやる泊(とぅまい)とぅ敵(てぃち)ぬ城(ぐしく)んかい、押(う)し入(い)っちゃる乙樽ぬ分かしみ、窺(うか)がてぃ歩(あ)っちょおたる村原(むらばる)とぅぬ言ちゃい外んちゃいかいん、今(なま)ぬ沖縄語(うちなあぐち)とぅ、なんぞお変わらんあい、今前ぬ芝居ぬ手本(てぃふん)とぅなてぃが居らんわかやびらん。

続ちゅん。

【語句】
前ぬ記事からぬ続ち=前の記事からの続き
三ちに=三つに
後じいぬ敵討ぬ場面まんぐらあからあ=後半の敵討の場面あたりからは
原国兄弟んでえ、出じゆる人ぬ多くなてぃ来ゅうしん=原国兄弟など登場人物が多くなてくるのも
他ぬ組踊と変わとおいびいん=他の組踊と(構成)が違います。非丁寧文「~変わとおん」。
ただ、今ぬ小説とぅか映画ねえし、前予てぃぬ徴ん=ただ、現代小説や映画のような伏線も
見しらんようい、出じゃすせえ=敷かずに登場させるのは、
今前やあらのおあいびんしが…=現代的ではありませんが…。非丁寧文「~あらのおあしが…」。
原国兄弟ぬ谷茶按司、討ちゅる話や=原国兄弟が谷茶按司を討つ話は
玉城朝薫世ぬ「二童敵討」んかい=玉城朝薫時代の「二童敵討」に
いやでぃん似したるむぬがやら分かやびらん=きっと似せたのかも知れません。非丁寧文「~分からん」。
四ちに=四つに
乙樽とぅ谷茶ぬ言ちゃい外んちゃいぬ=乙樽と谷茶の会話が
差し詰まいとぅ可笑しさぬ違うるうさあに=緊迫感とユーモラスが交互に
混きらっとおる所お、後々=織り交ぜられているところは、後世の
悲劇ぬ中んかい喜劇ぬ混んち行ちゅる沖縄芝居ぬ形枕とぅ=悲劇の中に喜劇を織り込む沖縄芝居の原型と
なてぃ行じゃる風儀ぬある事やいびいん=なっていったかも知れないことです。非丁寧文「~事やん」。
五ちに=五つに
乙樽ぬ使えやる泊とぅ敵ぬ城んかい、押し入っちゃる=乙樽の使者である泊と敵城に乗り込んだ
乙樽ぬ分かしみ、窺がてぃ歩っちょおたる村原とぅぬ=乙樽の状況を把握しようと尋ね回っていた村原との
言ちゃい外んちゃいかいん、今ぬ沖縄語とぅなんぞお変わらんあい=会話も現代の沖縄語とそれほど変わらいないし
今前ぬ芝居ぬ手本とぅなてぃが居らんわかやびらん=現代芝居に影響を与えたかも知れません。非丁寧文「~わからん」。
続ちゅん=つづく。