うちなあぐち日記

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2017年07月

 百姓(ひゃくしょう)にとぅてえ、「原(はる)遊び」え「畑(はる)遊び」とぅか「墓(はか)遊び」ぬ意味(ちむええ)んやいびいくとぅ、別(びち)ぬ言(い)い様(よう)さんでえ、ないびらん。

 あんさあに、「野(もう)遊び」んかいなやびたしが、うちなあんじえ、昔(んかし)から「野」や「毛」やてぃん、済(し)まびいたん。「万座毛(まんざもう)」ぬ如(ぐとぅ)し。

 うちなあぐち於(をぅ)とおてえ、m音(うん)や、いいくるn音ぬんかい変わゆる癖(くし)ぬあいびくとぅ、「ぬnu」ぬ「もうmoo」んかい変わてぃん、何(ぬう)ん、ふぃるましいむぬお、あいびらん。

 「にふぇえでえびる」お昔え、「みふぇえ(三拝)でえびる」どぅやいびいたる。沖縄人(うちなあんちゅ)んかい大和口(やまとぅぐち)習(なら)あすんでぃち、明治(みいじ)ぬ初(はじ)み頃(ぐる)んじ、作(つく)らったる『沖縄對話』んかいや、なあだ「みふぇえ」んでぃぬ言葉(くとぅば)ぬどぅ使(ちか)あらっとおいびいたる。
 尤(むっとぅ)ん、八重山(いぇえま)言葉ぬ「みいふぁいゆう」ん、うちなあぬ明治代迄ぬ「三拝よう」どぅやいびいる。

 m音ぬn音ぬんかい変わゆる例(たとぅい)うぬ他(ふか)にん、下(しちゃ)ぬ如(ぐとぅ)し、まんどおいびいん。昔音(んかしうとぅ)とぅ今前(いまめえ)ぬ音ぬ違(ちげ)えみんあしびいしが、シマにゆてぃん、音ぬ違みんあいびいん。

 宮古(みゃあく)→なあく、「脈(みゃあく)」ん同(い)ぬむん、美童(みやらび)→なあらび、ぐまさん→ぐなさん、冥加(みょうが)→のうが、御顔(みゅんち)→ぬんち、苗字(みょうじ)→のうじ、宮城(みゃあぐしく)→なあぐしく。どぅく、まんどおいびくとぅ、後(あと)お、外(はん)さびら。

【語句】
百姓にとぅてえ、「原遊び」え「畑遊び」とぅか「墓遊び」ぬ意味ん=平民にとっては、「原遊び」は「畑遊び」や「墓遊び」の意味でも
やいびいくとぅ、別ぬ言い様さんでえ、ないびらん=ありますでの、別の言い方をしなければなりません。非丁寧文「やくとぅ~」。「~さんでえ、ならん」。
あんさあに、「野遊び」んかいなやびたしが、うちなあんじえ=という訳で、「野遊び」になったのですが、沖縄では、非丁寧文「~んかいなたしが」。
昔から「野」や「毛」やてぃん、済まびいたん=元より、「野」は「毛」でも構いません。非丁寧文「~済むたん」。
「万座毛」ぬ如し=「万座毛」のように。
うちなあぐち於とおてえ、m音や、いいくるn音ぬんかい=沖縄語においては、m音は大抵n音に、
変わゆる癖ぬあいびくとぅ、「ぬnu」ぬ「もうmoo」んかい変わてぃん=変化する特性がありますので、「ぬnu」が「もうmoo」に変化しても、非丁寧文「~癖ぬあくとぅ」。
何ん、ふぃるましいむぬお、あいびらん=何ら珍しい現象ではありません。非丁寧文「~ふるましいむぬおあらん」。
「にふぇえでえびる」お昔え、「みふぇえ(三拝)でえびる」どぅやいびいたる=「にふぇえでえびる(ありがとうございます)」も昔は「みふぇえでえびる」だったのです。非丁寧文「~どぅやたる」。
沖縄人んかい大和口習あすんでぃち、明治ぬ初み頃んじ=沖縄人に日本語を教えようと明治初期ごろに、
作らったる『沖縄對話』んかいや、なあだ=編纂された『沖縄對話』にはまだ、
「みふぇえ」んでぃぬ言葉ぬどぅ使あらっとおいびいたる=「みふぇえ(三拝、ありがとう)」の言葉が使われいました。非丁寧文「~使あらっとおたる」。
尤ん、八重山言葉ぬ「みいふぁいゆう」ん=もっとも、八重山ことばである「みいふぁいゆう」も、
うちなあぬ明治代迄ぬ「三拝よう」どぅやいびいる=本島の明治時代迄の「三拝よう」なのです。非丁寧文「~どぅやる」。
m音ぬn音ぬんかい変わゆる例うぬ他にん=m音がn音に変化する例は、その他にも、
下ぬ如し、まんどおいびいん=以下のように多いです。非丁寧文「~まんどおん」。
昔音とぅ今前ぬ音ぬ違えみんあしびいしが=古音と現代音の違いもありますが、非丁寧文「~違えみんあしが」。
シマにゆてぃん、音ぬ違みんあいびいん=地域差による音の違いもあります。非丁寧文「~違えみんあん」。

宮古(みゃあく)→なあく、「脈(みゃあく)」ん同(い)ぬむん、美童(みやらび)→なあらび、ぐまさん→ぐなさん、冥加(みょうが)→のうが、御顔(みゅんち)→ぬんち、苗字(みょうじ)→のうじ、宮城(みゃあぐしく)→なあぐしく。どぅく、まんどおいびくとぅ、後(あと)お、外(はん)さびら

 「はる遊(あし)び」や如何(ちゃ)ぬ風儀(ふうじい)さあい、「毛遊(もうあし)び」んでぃぬ言葉(くとぅば)んかい変(か)わてぃ来(ち)ゃあびたらあ。
 「はる」んでえ、大概(てえげえ)や「原」ぬ積合(ちむええ)やいびいしが、「畑」んでぃぬ積合ん、また、「墓」んでぃぬ積合んあいびいん。
 やいびいくとぅ、百姓にとぅてえ、「はる遊び」んでぃぬ言葉あ、如何(いか)なしん、使(ちけ)え欲(ぶ)しゃあ無(ね)えやびらん。
「花笠節(はながさぶし)」んかいや「野原(ぬはる)に出(ん)じとて遊(あし)ぶ嬉(うり)さ」でぃぬ歌詞(くち)んあいびいん。
「野原遊び」んでえ、いふぇえ、言葉ぬ長(なが)さんあい、また、文言言葉どぅやいびいくとぅ、くりん、使え難(ぐり)さいびいん。
「野(ぬ)遊び」やてぃん、同(い)ぬ積合(ちむええ)どぅやいやさびいしが、文言言葉ぬ「野(ぬ)」や、普通ぬ言葉せえ「もう」んでぃる言(い)ちょおいびいたくとぅ、「もう遊び」んでぃ言んねえなてぃ来(ち)いがさらん分かやびらん。
 うぬばす、うぬまま、「もう」や「野」んでぃち、書ちいねえ、済(し)むたる筈(はじ)やいびいしが、「毛」んでぃち、けえ書ちゃびたん。
 あん言(い)いねえ、「万座毛(まんざもう」んでぃぬ言葉ん、あいびいんんさい。

 さてぃ、「ぬ」や如何ぬ風儀し、「もう」んでぃち、ないびたらあ。

【語句】
「はる遊び」や如何ぬ風儀さあい=「はる(原)遊び」はどのようにして、
「毛遊び」んでぃぬ言葉んかい=「毛遊び」という言葉に
変わてぃ来ゃあびたらあ=変化してきたのでしょうか。非丁寧文「~来ゃらあ」。
「はる」んでえ、大概や「原」ぬ積合やいびいしが=「はる」とは、原則的には「原」の意味ですが、
「畑」んでぃぬ積合ん、また、「墓」んでぃぬ積合んあいびいん=「畑」という意味も、また「墓」という意味もあります。非丁寧文「~積合んあん」。注:沖縄人は今でも「はか(墓)」という語を忌んで「はる」という事が多いです。
やいびいくとぅ、百姓にとぅてえ、「はる遊び」んでぃぬ言葉あ=ですから、平民にとって、「はる遊び」という言葉は
如何なしん、使え欲しゃあ無えやびらん=どうしても、使いたくありません。非丁寧文「~無えらん」。
「花笠節」んかいや「野原に出じとて遊ぶ嬉さ」でぃぬ=「花笠節」には「野原に出て遊ぶ楽しさ」という
歌詞んあいびいん=歌詞があります。非丁寧文「~あん」。
「野原遊び」んでえ、いふぇえ、言葉ぬ長さんあい=「野原遊び」などは、少し、言葉が長いし
また、文言言葉どぅやいびいくとぅ=また、文章語ですから、非丁寧文「~どぅやくとぅ」。
くりん、使え難さいびいん=これも使いにくいです。非丁寧文「~難さん」。
「野遊び」やてぃん、同ぬ積合どぅやいやさびいしが=「ぬあしび」でも同じ意味なのですが、非丁寧文「~積合どぅやいやすしが」。
文言言葉ぬ「野」や、普通ぬ言葉せえ「もう」んでぃる=文章語の「野(ぬ)」は口語では「もう」と
言ちょおいびいたくとぅ=言ってましたので、非丁寧文「~言ちょおたくとぅ」。
「もう遊び」んでぃ言んねえなてぃ=「もうあしび」というようになって、
来いがさらん分かやびらん=きたのかも知れません。非丁寧文「~分からん」。
うぬばす、うぬまま、「もう」や「野」んでぃち、書ちいねえ=その際、そのまま、「もう」を「野」と書けば、
済むたる筈やいびいしが、「毛」んでぃち、けえ書ちゃびたん=よかったでしょうけど、「毛」と当て字してしまいました。非丁寧文「~筈やしが」、「~書ちゃん」。
あん言いねえ、「万座毛」んでぃぬ言葉んあいびいんやさい=そういえば、「万座毛」という語もありますよね。非丁寧文「~言葉んあんやあさい」。
さてぃ、「ぬ」や如何ぬ風儀し、「もう」んでぃち、ないびたらあ=さて、「ぬ」はどうして、「もう」に変化したのでしょうか。非丁寧文「~なたらあ」。

 毛遊(もうあし)びいや、我親(わあうや)ぬ世(ゆう)迄(まで)え、あいびいたしが、何時(いち)ぬ昔(んかし)からあいびいたら。
 毛遊びくるお、かあま昔からあたる筈やいびいしが、うぬ「毛遊び」んでぃぬ言葉(くとぅば)あ、なんぞお、昔(むかし)からぬ言葉あ、あらん筈(はじ)やいびいん

 組踊(くみをぅどぅい)「護佐丸敵討」(玉城朝薫作、異名、二童敵討)んかいや、「まさる日撰(ふぃゆい)やこと、野原(ぬふぁら)出(でぃ)て遊(あし)ば」、「けふやあまおへのはる遊びてもの、此のよう母に知らしやうち、でよでよ、敵討たうやあ」んでぃぬ口(くち)ぬあいびいん。

 組踊ぬ話どぅやくとぅ、歴史(りちし)ぬ話とぅしちえ、当(あ)たらん所(とぅくま)ん、ある筈やい、また、うぬ組踊ぬ中(なあか)於(をぅ)てぃ遊どおる人(ちゅ)ん達(ちゃあ)や、按司(あじ)、さむれえどぅやいびいくぅ、百姓(ひゃくしょう)ぬそおたる毛遊びとお、別(びち)えあらにんでぃぬ考(かんげ)えんあら筈やいびいしが、何(ぬう)やらわん、昔から「毛遊び」ぎさるむんぬあたる事(くと)お、間違(まちげ)え無(ね)えらんでぃ、思(うま)ありやびいん。

 「はる遊び」んでぃぬ言葉あ、如何(ちゃ)ぬ風儀(ふうじい)し、「毛遊び」んでぃぬ言葉んかい変(か)わてぃ来(ち)ゃあびたらあ。

【語句】
毛遊びいや、我親ぬ世迄え、あいびいたしが=毛遊びいは、私の親の代まではありましたが、非丁寧文「~迄え、あたしが」。
何時ぬ昔からあいびいたら=いつの昔からあったのでしょうか。非丁寧文「~あたら」。
毛遊びくるお、かあま昔からあたる筈やいびいしが=毛遊び自体は、ずっと、昔からあったはずですが、非丁寧文「~あたる筈やしが」。
うぬ「毛遊び」んでぃぬ言葉(くとぅば)あ、なんぞお=その「毛遊び」という語は、それほど、
昔からぬ言葉あ、あらん筈やいびいん=昔からの語ではないはずです。非丁寧文「~筈やん」。
組踊「護佐丸敵討」(玉城朝薫作、異名、二童敵討)んかいや=組踊「護佐丸敵討」(玉城朝薫作、異名、二童敵討)には、
「まさる日撰やこと、野原出て遊ば」=「(今日は)よい日取りだから、野原に出てあそぼう」、
「けふやあまおへのはる遊びてもの」=「今日は、阿麻和利の原遊びというから」、
「此のよう母に知らしやうち、でよでよ」=「このことを母に知らせて、いざいざ」、
「敵討たうやあ」んでぃぬ口ぬあいびいん=「敵を討とうよ」というセリフがあります。非丁寧文「~口ぬあん」。
組踊ぬ話どぅやくとぅ、歴史ぬ話とぅしちえ=組踊の中の話なのであるから、歴史の話としては、
当たらん所ん、ある筈やい=実際ではないかもしれないし、
また、うぬ組踊ぬ中於てぃ遊どおる人ん達や=また、その組踊の中で遊んでいる人たちは、
按司、さむれえどぅやいびいくぅ、百姓ぬそおたる毛遊びとお=士族なのであるから、平民がしていた毛遊びとは、
別えあらにんでぃぬ考えんあら筈やいびいしが=別物ではないかとの疑問もあるかもしれませんが、非丁寧文「~筈あしが」。
何やらわん、昔から「毛遊び」ぎさるむんぬあたる事お=いずれにせよ、昔から「毛遊び」の類があった事は、
間違え無えらんでぃ、思ありやびいん=間違いないと思われます。非丁寧文「~思ありゆん」。
「はる遊び」んでぃぬ言葉あ、如何ぬ風儀し=「原遊び」という言葉が、どのようにして、
「毛遊び」んでぃぬ言葉んかい変わてぃ来ゃあびたらあ=「毛遊び」という語に変わってきたのでしょうか。非丁寧文「~来ゃがやあ」。

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