うちなあぐち日記

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2017年03月

 兄弟(ちょうでえ)んでえ、互(たげ)えに、一人(ちゅい)なあ一人なあぬ大人(うふっちゅ)なゆる為(たみ)ぬ肥(くぇえ)がやらん分かやびらん。

 大人ないねえ、なあめえめえ、にいびちし、家(やあ)立(た)っち行(い)ちゃびいん。あんさあにどぅ、子孫(くぁんまが)ん広(ふぃる)がやあに、栄(さけ)えてぃ行ちゃびいる。

 やくとぅがやいびいら、兄弟姉妹(ちょおでえ、うとぅだんざ)ぬ何時(いち)迄(までぃ)ん、家ん立たったんようい、親(をぅや)ぬ家んでえんかい、まじゅん、暮(く)らする事(くと)お、繁盛(はんじょう)さんなゆるむんやんでぃち、くしさりやびいん。

 うぬ事(くとぅ)故(ゆい)がやいびいら、仏壇(ぶちだ)ぬんかい、兄弟まじゅん、祀(まち)ゆる事お、「兄弟嵩張(ちょうでえかさば)い」「兄弟くなばい」んでぃち、ましえあらんでぃ、さっとおいびいん。
 うんな考え故に、沖縄(うちなあ)んかいや、叔父・伯父さあぬ位牌(いふぇえ)分きらっとおる人(ちゅ)んまんどおいびいん。んちゃ、沖縄んじえ、くぬ前(めえ)ぬ戦(いくさ)んじ、妻(とぅじ)ん娶(とぅ)めえらんぐうとぅう、亡(まあ)ちょおる若者(わかむん)ぬんまんどいびいくとぅ、仏壇於(をぅ)とおてぃぬ「兄弟嵩張い」んまどおる筈やいびいん。

 やいびいしが、人・人間てぃらむん、色(わき)んな訳(わき)ぬあてぃどぅ、くぬ世(ゆう)失(うしな)やびたる、「兄弟嵩張い」ぬ考えん大概(てえげえ)にすしえましえあびらんがやあ。

 世(ゆう)ん、うち変(か)わてぃ、うぬ狭(い)ば地球(じいち、ちちゅう)くるん、人間嵩張(にんじんかさば)いなやあに、産(な)し繁盛するまどぅん、たった、いきらくなてぃどぅ来(ち)ょおいびいるむんぬ…。

【語句】
兄弟んでえ互えに、一人なあ一人なあぬ=兄弟というものは、互いに一人一人が
大人なゆる為ぬ肥がやらん分かやびらん=大人になるための肥やしなのかもしれません。非丁寧文「~分からん」。
大人ないねえ、なあめえめえ、にいびちし=大人になれば、それぞれが、結婚して
家立っち行ちゃびいん=分家・独立していきます。非丁寧文「~行ちゅん」。
あんさあにどぅ、子孫ん広がやあに、栄えてぃ行ちゃびいる=そうしてこそ、子孫も広がり、栄えていくのです。非丁寧文「~行ちゅる」。
やくとぅがやいびいら、兄弟姉妹ぬ何時迄ん、家ん立たったんようい=だからなのか、兄弟姉妹がいつまでも、独立せず
親ぬ家んでえんかい、まじゅん、暮らする事お=実家などで一緒に暮らす事は、
繁盛さんなゆるむんやんでぃち、くしさりやびいん=繁盛しなくなるということから、嫌われます。非丁寧文「~くしさりいん」。
うぬ事故がやいびいら、仏壇ぬんかい、兄弟まじゅん=そのことに起因するのでしょうか、仏壇に兄弟一緒に、非丁寧文「故がやら~」。
祀ゆる事お、「兄弟嵩張い」「兄弟くなばい」んでぃち=祀ることは、「兄弟重なり」「兄弟並び」といって、
ましえあらんでぃ、さっとおいびいん=よくないこととされています。非丁寧文「~さっとおん」。
うんな考え故に、沖縄んかいや、叔父・伯父さあぬ位牌=そういう考えの下に、沖縄には叔父・伯父の位牌を
分きらっとおる人んまんどおいびいん=分けられている人が多いです。非丁寧文「~人んまんどおん「」。
んちゃ、沖縄んじえ、くぬ前ぬ戦んじ、妻ん娶めえらんぐうとぅう=そういえば、沖縄では、去った戦争で、結婚せずに
亡ちょおる若者ぬんまんどいびいくとぅ=亡くなった若者も多いですので、非丁寧文「~まんどおくとぅ」。
仏壇於とおてぃぬ「兄弟嵩張い」んまどおる筈やいびいん=仏壇での兄弟重なりも多いかもしれません。非丁寧文「~筈やん」。
やいびいしが、人・人間てぃらむん、色んな訳ぬあてぃどぅ=ですが、人たるもの、色んな事情があって、非丁寧文「やしが~」。
くぬ世失やびたる、「兄弟嵩張い」ぬ考えん=亡くなられたのであり、「兄弟重なり」の考えも、非丁寧文「~失たる」。
大概にすしえましえあびらんがやあ=深刻に考えなくてもよいのではないでしょうか。非丁寧文「~あらんがやあ」。
世ん、うち変わてぃ、うぬ狭ば地球くるん=世も随分と変化し、この狭い地球自身も
人間嵩張いなやあに、産し繁盛するまどぅん=人間が引き締め合い、産み栄えさせる余地も
たった、いきらくなてぃどぅ来ょおいびいるむんぬ…=次第に少なくなってきているのですから…。非丁寧文「~来ょおるむんぬ」。

 「行逢(いちゃ)りば兄弟(ちょうでえ)」んでぃぬ言葉(くとぅば)あ、御万人(うまんちゅ)ぬ知(し)っちょおる筈(はじ)やいびいん。
 やいびいしが、うちなあんかいや、うぬ「行逢りば」ぬどぅく、音高(うとぅだか)さぬ、「兄弟や他人(たにん)ぬ始(はじ)まい」んでぃぬ言葉ぬあんでぃぬ事(くとぅ)、分かゆるっ人(ちゅ)お、なんぞお、まんでえ居(をぅ)いびらん。

 言葉んでぃゆる物(むぬ)お、ましやんねえし、考(かんげ)ゆる事(くとぅ)ん、なゆい、また、悪(や)なさんねえし、考えゆる事んないびいん。先(ま)じえ、ましやんねえし、考えてぃなあびら。
 
 「兄弟や他人ぬ始まい」や、小(くう)にいからぬ、兄弟姉妹とぅぬふぃれえ事(ぐと)お、また、他人とぅぬふぇえれえ習(なら)やんでぃちん、考えらりやびいん。また、如何(いか)な、兄弟やわらん、互(たげ)えに、ふんでえ、しえならんでぃぬ戒(いまし)みがやらん分かやびらん。
 
 また、確(たし)かに、兄弟同士(ちょうでえどうさあ)、あらげえたい、戦(いくさ)さいしちゃる事お、いちゃっさきいぬ歴史(りちし、ちてえ)んかいん書(か)かっとおいびいん。旧約聖書(ちゅうやくしいし)於(をぅ)にゆいねえ、初(はじ)み人間(にんじん、アダムとぅイヴ)ぬ子(くぁ)ん、きっさ、兄弟殺(くる)ち無(ね)えやびらん。

 うんな事、考えいねえ、「他人ぬ始まい」んでぃ言(ゆ)しやかあ、「世間(しきん)ぬ始まい」がやら、「みっくぁいむんぬ始まい」がやらん分かやびらん。
 
 やいやさびいしが、まとぅむな人ん達(ちゃあ)にとぅてえ、兄弟ぬ兄弟殺すんでえ、ぞおい、思(うま)あらんむんやいびいん。

【語句】
「行逢りば兄弟」んでぃぬ言葉あ=「会えば兄弟である」という言葉は、
御万人ぬ知っちょおる筈やいびいん=誰でも知っているでしょう。非丁寧文「~筈やん」。
やいびいしが、うちなあんかいや=しかしながら、沖縄には、非丁寧文「やしが~」。
うぬ「行逢りば」ぬどぅく、音高さぬ=その「会えば兄弟である」があまりにも、有名すぎて
「兄弟や他人ぬ始まい」んでぃぬ言葉ぬあんでぃぬ事=「兄弟は他人の始まり」という言葉があることを、
分かゆるっ人お、なんぞお、まんでえ居いびらん=知っている人はそれほど多くはありません。非丁寧文「~居らん」。
言葉んでぃゆる物お、ましやんねえし、考ゆる事ん、なゆい=言葉というものは、良いように解釈する事もできるし、
また、悪なさんねえし、考えゆる事んないびいん=また、悪いように解釈することもできます。非丁寧文「~」。
先じえ、ましやんねえし、考えてぃなあびら=まずは、良いように解釈してみましょう。非丁寧文「~考えてぃんだ」。
「兄弟や他人ぬ始まい」や、小にいからぬ=「兄弟は他人の始まり」は、幼いときからの
兄弟姉妹とぅぬふぃれえ事お、また、=兄弟との付き合いは、ひいては、
他人とぅぬふぇえれえ習やんでぃちん、考えらりやびいん=他人との付き合い練習だとも、考えられます。非丁寧文「~考えらりゆん」。
また、如何な、兄弟やわらん、互えに=また、いくら兄弟姉妹でも、互いに、
ふんでえ、しえならんでぃぬ戒みがやらん分かやびらん=甘えあってはならないとの戒め(の言葉)なのかもわかりません。非丁寧文「~分からん」。
また、確かに、兄弟同士、あらげえたい、戦さいしちゃる事お=また確かに兄弟同士が争ったり、戦争したりしてき事は、
いちゃっさきいぬ歴史んかいん書かっとおいびん=多くの史書に記述されています。非丁寧文「~書かっとおん」。
旧約聖書にゆいねえ、初み人間(アダムとぅイヴ)ぬ子ん=旧約聖書によれば、最初の人間(アダムとイブ)の子も、
きっさ、兄弟殺ち無えやびらん=
さっそく、兄弟を殺してしまっています。非丁寧文「~無えらん」。
うんな事、考えいねえ、「他人ぬ始まい」んでぃ=そんな事を考えれば、(兄弟が)「他人の始まり」と、
言しやかあ「世間ぬ始まい」がやら=言うより、「世間の始まり」なのか、
「みっくぁいむんぬ始まい」がやらん分かやびらん=「憎らしい者の始まり」なのか分かりません。非丁寧文「~分からん」。
やいやさびいしが、まとぅむな人ん達にとぅてえ=ですが、まとまな人間からすれば、非丁寧文「やせえやしが~」。
兄弟ぬ兄弟殺すんでえ、ぞおい、思あらんむんやいびいん=兄弟が兄弟を殺すなどは、とても考えられません。非丁寧文「~思あらんむんやん」。

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