うちなあぐち日記

うちなあぐちえ 聴ち美らさ 語い美らさ 書ち美らさ

2014年01月

イメージ 1

 太陽拝(てぃだうが)でぃ、温(ぬく)ばあゆんち木(きい)んかい登(ぬぶ)とおる猫(まやあ)

 沖縄(うちなあ)ぬ昨日(ちぬう)迄(までぃ)ぬ最高気温(ちうん)や、15度からあ上(ゐい)んかい上がいゆさびらんたくとぅ、今度(くんど)お、本土(ヤマトゥ)がいちゃっさ、寒(ふぃい)さらわん、温年(ぬくどぅし)がやらんでぃ思(うむ)とおいびいたるむぬ、あっさびよお!今日(ちゅう)ぬサ寒さあふしがりやびらん。
 (やあ)ぬ中(なあか)あ、16.4度(どぅ)やいびいしが、外(ふか)ぬ気温や測たれえ、13.5度どぅあいびいたる。
 くねえだぬ金曜日え、どぅくだら暑(あち)さぬ、猫(まやあ)ん、太陽(でぃだ、でぃいだ)拝(うが)でぃ、温たまゆんでぃちがやいびいたらあ、木(きい)んかい登(ぬぶ)てぃ鳥小(とぅぐぁあ)ぬ如(ぐとぅ)し、遊(あし)どおいびいたるむぬ…。
 夜中(ゆなか)ぬ気温が4~5度びけんないねえ、500M(ぐひゃくミーター)ぬ丈(たき)ぬある与那覇岳(ゆなふぁだき)んかい登いが、行(ん)じ、雪(ゆち)ぬ降(ふ)ゆし、見(ん)でぃわるやんるでぃ言しがる我口癖(わあくちぐし)やいびいたしが、実(じゅん)に、気温ぬ下(さ)がいねえ、だあ、家(やあ)んじ、寒さ曲がいどぅけえそおいびいる、ぞうい、行ちゆさびいみ。

【語句】
太陽拝でぃ、温ばあゆんち=日に当たり、暖まろうとして、
木んかい登とおる猫=木に登っている猫
沖縄ぬ昨日迄ぬ最高気温や=沖縄の昨日までの最高気温は
15度からあ上んかい上がいゆさびらんたくとぅ=15度以上には上がることができませんでしたので、非丁寧文は「~上がいゆだんたくとぅ」。
今度お、本土がいちゃっさ、寒さらわん=今年は本土がどんなに寒くても、
温年がやらんでぃ思とおいびいたるむぬ=暖冬なのだろうと思っていましたのに、非丁寧文は「~思とおたるむぬ」。「温年(ぬくどぅし)」は「暖冬」の意味。対句は「寒(ふぃい)さ年」また「冷(ふぃぅ)る年」。
あっさびよお!今日ぬ寒さあふしがりやびらん=あれまあ、今日の寒さはどうしようもありんません。非丁寧文は「~ふしがらん」。「ふしがりゆん(防がれる)」は「ふしじゅん(防ぐ)」の使役。
家ぬ中あ、16.4度やいびいしが=家の中は16.4度ですが、非丁寧文は「~やしが」。
外ぬ気温や測たれえ、13.5度どぅあいびいたる=外の気温は測ったら13.5度しかありませんでした。非丁寧文は「~どぅあたる」。
くねえだぬ金曜日え、どぅくだら暑さぬ=この間の金曜日は、あまりにも暑くて、
猫ん、太陽拝でぃ、温たまゆんでぃちがやいびいたらあ=猫も日に当たり、暖まろうとしていたのしょうか、非丁寧文は「~でぃちがやたら」。
木んかい登てぃ鳥小ぬ如し、遊どおいびいたるむぬ=木に登って小鳥のように遊んでいましたのでに…。非丁寧文は「~遊どおたるむぬ」。
夜中ぬ気温が4~5度びけんないねえ=夜中の気温が4~5度になれば、
500Mぬ丈ぬある与那覇岳んかい登いが行じ=500Mの標高がある与那覇岳に登りにいき、
雪ぬ降ゆし、見でぃわるやんるでぃ=雪の降るのを見物せねばなるまいと、
言しがる我口癖やいびいたしが=言うのが私の口癖でしたが、非丁寧文は「~口癖やたしが」。
実に、気温ぬ下がいねえ、だあ、家んじ=本当に気温が下がると、あれあれ、家で、
寒さ曲がいどぅけえそおいびいる=家で寒さで縮籠っているばかりで、非丁寧文は「~どぅけえそおる」。
ぞうい、行ちゆさびいみ=とてもじゃないが、行けるものですか。非丁寧文は「~行ちゆすみ」。

 「ほうはいむうちい(陰張い餅)」ぬ由来話(ゆれえばなし)にちいてえ、細(くま)さる所(とぅくる)お、あまくま違(ちが)とおいびいしが大概(てえげえ)や当たとおる筈(はじ)んでぃ思(うむ)やびいん。
 我(わあ)が小学4年生(しょうがくゆにんしい)ぬばすに、担任(たんにん)ぬ女先生(ゐなぐしんしい)から聞(ち)かさったる話(下記)ん、当たい前(めえ)ぬ事(くとぅ)やいびいしが、「陰」ぬ話や、むさっとぅ、さびらんたん。話すしん、厄介(やっけえ)やたる筈(はじ)やいびいん。
 あんしまた、「陰張い」や物退(むんぬ)きむんやんでぃさってぃ来(ち)ゃるむぬやいびいしが、くりん当たい前ぬ事、まあぬ誰(たあ)ん、物退きむんとぅしち、考(かんげ)えゆるっ人(ちゅ)ん、使(ちか)ゆるっ人ん居(をぅ)いびらん。
 昔(んかし)え、火事(くぁじ)ぬばすんじ、「ほうはい」んでぃ叫(あ)びゆたんでぃぬ事やいびいしが、昔え、火事ぬ事ゆ「火走(ほうは)い」んでぃん言ちょおたんでぃぬ事やいびいくとぅ、ただぬ「語呂合わせ」やあらがあらんでぃ思(うみ)やびいん。別説(びちかんげえ)んあら筈やいびいしが…。

 童(わらび)ぬばすお、餅(むうちい食(か)でぃ後(あとぅ)、空殻(んながら)かあさ、四(ゆう)ち、束(たば)い直(のお)ち、家(やあ)ぬ四隅(ゆすみ)ぬ雨垂(あみだい)んかい、くんち、物退きとぅさびたしが、今(なま)あ、うんな習慣(なりい)ん無(ね)えらんなやびてぃ、ただ餅食(むうちか)むる行事(まちい)どぅけえなとおいびいる…。

記:女先生ぬ話 兄妹ぬ問答ぬ所
 
妹:「やっちいや、くぬ餅(むうちい)ぬあたいんちょおん、食(か)みゆさんどぅあみ、人(ちゅ)ん喰(くぁ)わゆる口ぬ出(ん)じとおてぃ、何(ぬう)んならん」
兄:「くぬ硬餅食(くふぁむうちいか)てぃん、血(ち)ん出(ん)じらん汝口(やあくち)え何しゃる口が」
妹:「我口(わあくち)え、餅ぬあたいせえ、肝ふぃがん、鬼喰わゆわる、肝おふぃずる」

【語句】
「ほうはいむうちい(陰張い餅)」ぬ=「ほうはいむうちい」の
由来話にちいてえ、細さる所お=由来の話については
あまくま違とおいびいしが=ところどころ違っていますが、 非丁寧文は「~違とおしが」。
大概や当たとおる筈んでぃ思やびいん=大体の所はあってるだろうと思います。非丁寧文は「~思ゆん」。
我が小学4年生ぬばすに、担任ぬ女先生から=私が小学校4年生のときに担任の女先生から
聞かさったる話ん、当たい前ぬ事やいびいしが=聞かされた話しも、当然ですが、非丁寧文は「~事やしが」。
「陰」ぬ話や、むさっとぅ、さびらんたん=「陰」の話はまったくしませんでした。非丁寧文は「~さんたん」。
話すしん、厄介やたる筈やいびいん=語るのも厄介だった事でしょう。非丁寧文は「~筈やん」。
あんしまた、「陰張い」や物退きむんやんでぃ=「陰張い」は魔除けだと、
さってぃ来ゃるむぬやいびいしが=されてきたものですが、 非丁寧文は「~むぬやしが」。
くりん当たい前ぬ事、まあぬ誰ん、物退きむんとぅしち=これも当然ながらどこの誰も魔除けとして、
考えゆるっ人ん使ゆるっ人ん居いびらん=考える人も、使う人もいません。非丁寧文は「~居らん」。
昔え、火事ぬばすんじ、「ほうはい」んでぃ=昔は火事のときに、「ほうはい」と
叫びゆたんでぃぬ事やいびいしが=叫んだとの事ですが、 非丁寧文は「~事やしが」。
昔え、火事ぬ事ゆ「火走い」んでぃん=昔は火事の事を(同じく)「ほうはい」とも
言ちょおたんでぃぬ事やいびいくとぅ=言っていたとの事ですから、非丁寧文は「~事やくとぅ」。
ただぬ「語呂合わせ」やあらがあらんでぃ思やびいん=ただの「語呂合わせ」じゃないかと思います。非丁寧文は「~あらんがあら」。
別説んあら筈やいびいしが…=別の説のあるかもしれませんが…。非丁寧文は「~筈やしが」。
童ぬばすお、餅食でぃ後、空殻かあさ=子供の頃はムーチーを食べて後、空の包み葉を
四ち、束い直ち、家ぬ四隅ぬ雨垂んかい=縛り直して、家の四隅の軒に
くんち、物退きとぅさびたしが=くくり付けて、魔除けとしましたが、非丁寧文は「~物退きとぅさしが」。
今あ、うんな習慣ん無えらんなやびてぃ…=今はそういう習慣もなくなりまして
ただ餅食むる行事どぅけえなとおいびいる=たんにムーチーを食べる行事になってしまっています。非丁寧文は「~けえなとおる」。

妹:「やっちいや、くぬ餅ぬあたいんちょおん、食みゆさんどぅあみ、人ん喰わゆる口ぬ出じとおてぃ、何んならん」=妹:「お兄さんの口は、この餅さえも食べれないのかい。人を食らうくせに、役立たず」
兄:「くぬ硬餅食てぃん、血ん出じらん汝口え何しゃる口が」=兄:「この餅を食べても、血も流さないとは一体どういう口なんだ」

妹:「我口え、餅ぬあたいせえ、肝ふぃがん、鬼喰わゆわる、肝おふぃずる」=妹:「私の口は餅ぐらいでは満足しない、鬼を食べてこそ満足するのだ」

イメージ 1

イメージ 2

 写真上=鬼餅由来の兄妹が住んでいたといわれる付近(首里)
 写真下=その立て札

 「かあさ餅(むうちい)」んかいや、ちゃぬあたいぬ積合(ちむええ)ぬあいびいがやあ。
 いいくる餅(むうちい)とぅ餅があさあ蒸(ん)ぶしいねえ、けえたっくぁあてぃ、よねえ剥がしい苦(ぐり)さいびいん。夫婦(みいとぅんだ)ん、餅とぅかあさぬ如(ぐとぅ)、何時(いち)までぃんちゃあたっくぁいし、愛々(かながな)あとぅ、暮らち行きわるないるんでぃぬ積合ぬあんでぃさっとおいびいん。やいびいしが、くりん、後(あとぅ)からたっくぁあちぇえる話どぅやいびいる。
 
 あんさびいねえ、「ほうはいむうちい」んでえ、何(ぬう)ぬ積合がやいびいら。
 くぬ話んでえしいねえ、長話(ながばなし)ないぎさあやいびいくとぅ、なれえ、一言(ちゅくとぅば)、二言(たくとぅば)しさなんでぃ思(うむ)とおいびいん。

 昔(んかし)、兄妹(うとぅだんざ)ぬ首里(しゅい)ぬ金城(かなぐしく)んじ暮らちょおいびいたしが、兄(しいざ)が鬼(うに)とぅなやあに、出(ん)じてぃ行(ん)じ、大里(うふざとぅ)ぬ森(むい)んじ、通(とぅう)ゆる人(ちゅ)喰(くぁ)てぃ、暮らすんねえなとおびいたん。
 うぬ話聞(はなしち)ちゃる妹(うっと)お、自(どぅう)が如何(ちゃあ)がなさんでえならんでぃ思(うみ)いやあに、石ぶくんでえん混(ま)んきてえる餅とぅ混んきてえ居(をぅ)らん餅しこうやびたん。
 うぬ餅持(む)っち、兄んかい行逢いが大里んかい向かやびたん。兄んかいや石ぶく混んきてえる餅呉てぃ、自や混んきてえねえらん餅食なやびたん。兄あ石ぶくぬ硬(くふぁ)さぬ食みいかんてぃいし、歯肉(はあしし)から血(ちい)ぬはとおいびいたん。やいびいしがし、妹お、旨(まあ)さぎさし食どおいびいたん。兄ぬふぃるまさぎさし、妹見(な)あびたん。妹ぬくんだぬ内むてぃいから血ぬ流りとおし見ち、兄あ、ふぃるまささあに妹んかい問(とぅ)うやびたん。
「あんし硬餅食でぃん血ん出じらん汝口え何しゃる口やが。また、汝股(やあまた)から血ぬはとおしが、何しゃる物(むぬ)が」
 妹お、立っち、着物(ちん)ぬ前裾(めえすば)、かなぎやあに、血だらだらそおる陰(ほう)、張(は)やあに、兄んかい見(み)しやびたん。
「我口(わあくち)え、餅食(むうちいか)むる口、また、我股(わあまた)ぬ口え、鬼喰(うにくぁ)ゆる口」
 股ぬ血や、鬼喰(うにくぁ)てぃ来(ち)ゃる為(たみ)ぬむぬどぅやる筈(はじ)んでぃ思(うむ)たる兄あ、大(うふ)どぅんもういさあに、後(あとぅ)しんちゃあさびたん。あんし、崖(はんた)から落(う)てぃてぃ死じゃんでぃぬ事(くとぅ)やいびいん。
 
 だあ、ぞうい、一言、二言しとぅずみらりゆみ。
 うぬ後お明日やあさい。

【語句】
「かあさ餅」んかいや、ちゃぬあたいぬ=「かあさ餅」にはどれほどの
積合ぬあいびいがやあ=意味があるのでしょうか 非丁寧文は「積合ぬあがやあ」。
いいくる餅とぅ餅があさあ蒸ぶしいねえ=たいてい、餅と包む葉は蒸すと、
けえたっくぁあてぃ、よねえ剥がしい苦さいびいん=くっついてしまって、剥がしにくいです。非丁寧文は「~苦さん」。
夫婦ん、餅とぅ餅かあさぬ如=夫婦も餅と包み葉のように、  「餅かあさ(むうちいがあさ)」は『沖縄辞典』には載っておらず、「さんにんがあさ」として載っています。前者の方が今では圧倒的にに一般的です。
何時までぃんちゃあたっくぁいし=いつまでもくっつきぱなしで、
愛々あとぅ、暮らち行きわるないる=愛し合って暮らしていかねばならない
んでぃぬ積合ぬあんでぃさっとおいびいん=との意味があるとされています。非丁寧文は「~あんでぃさっとおん」。
やいびいしが、くりん、後から=ですが、これも後から、 非丁寧文は「やしが」。
たっくぁあちぇえる話どぅやいびいる=付け足した話なのです。非丁寧文は「~話どぅやる」。
あんさびいねえ、「ほうはいむうちい」んでえ=では、「ほうはいむうちい」とは
何ぬ積合がやいびいら=どういう意味なのでしょうか。
くぬ話んでえしいねえ、長話ないぎさあやいびいくとぅ=この話をすれば長話になりそうですので、 非丁寧文は「~ぎさあやくとぅ」。
なれえ、一言、二言しさなんでぃ思とおいびいん=できれば、一言二言で済ましたいと思います。非丁寧文は「~思とおん」。
昔、兄妹ぬ首里ぬ金城んじ暮らちょおいびいたしが=昔、兄妹が首里の金城で暮らしていましたが、 非丁寧文は「~暮らちょおたしが」。
兄が鬼とぅなやあに、出じてぃ行じ=兄が鬼となって出て行き、
大里ぬ森んじ、通ゆる人喰てぃ=大里の森で通る人を食って、
暮らすんねえなとおびいたん=暮らすようになっていました。非丁寧文は「~なとおたん」。
うぬ話聞ちゃる妹お自が如何がなさんでえならんでぃ=その話を聞いた妹は自分がどうにかしなければと、
思やあに、石ぶくんでえん混んきてえる餅とぅ=思い、小石を混ぜた餅と、 「石ぶく」は投石用の石の事。
混んきてえ居らん餅しこうやびたん=混ぜてない餅を作りました。非丁寧文は「~しこうたん」。
うぬ餅持っち、兄んかい行逢いが=その餅をもって、兄に逢いに
大里んかい向かやびたん=大里に向かいました。非丁寧文は「~向かたん」。
兄んかいや石ぶく混んきてえる餅呉てぃ=兄には小石を混ぜた餅を与え、
自や混んきてえねえらん餅食なやびたん=自分は混ぜてない持ちを食べました。
兄あ石ぶくぬ硬さぬ食みいかんてぃいし=兄は小石が硬くて食べにくそうにし、
歯肉から血ぬはとおいびいたん=歯茎からは血が出ていました。非丁寧文は「~血ぬはとおたん」。「歯肉(はあしし)」は『沖縄語辞典』には載っていませんが『医学沖縄語辞典』には載っています。
やいびいしがし、妹お=ですが妹の方は、 非丁寧文は「やしが」。
旨さぎさし食どおいびいたん=おいしそうに食べていました。非丁寧文は「~食どおたん」。
兄ぬふぃるまさぎさし、妹見あびたん=兄が不思議そうに妹に目をやりました。非丁寧文は「~見ちゃん」。
妹ぬくんだぬ内むてぃいから血ぬ流りとおし見ち=妹の太ももの内側から血がしたたり落ちているのを見て、
兄あ、ふぃるまささあに妹んかい問うやびたん=兄は不思議に思い妹に尋ねました。非丁寧文は「~問うたん」。
あんし硬餅食でぃん血ん出じらん汝口え何しゃる口やが=そんなに硬い餅を食べても血がでないお前の口は(一体)何たる口なんだい。
また、汝股から血ぬはとおしが、何しゃる物(むぬ)が=また、お前の股から血が流れているが(言一体)何という物だね。  「何しゃる物が」は「物やが」の「や」(存在動詞)が略されています。首里・那覇辺りではこの場合多くは略されます。
妹お、立っち、着物ぬ前裾、かなぎやあに=妹は立って前裾をからげて、
血だらだらそおる陰張やあに=血のだらけになっている陰を開いて、 「陰(ほう)」は「女陰」の事。「陰張(ほうは)ゆん」から「陰張い餅=ほうはいムーチー」の名称になったが、近年は、「女陰」の名称を嫌い単に「ムーチー」となりました。
兄んかい見しやびたん=兄に見せました。非丁寧文は「~見したん」。
我口え、餅食むる口=わたしの口は餅を食う口、
また、我股ぬ口え、鬼喰ゆる口=そして、わたしの股の口は鬼を喰う口。
股ぬ血や、鬼喰てぃ来ゃる為ぬむぬどぅやる筈=股の血は、鬼を喰ってきたばかりのものに違いないと、
んでぃ思(うむ)たる兄あ=思った兄は、
うふどぅんもういさあに、後しんちゃあさびたん=おおいに仰天し後ずさりしました。「後しんちゃあ」は「後しいちゃあ」の「しいちゃあ」の撥音便化したもの。「後しじち(首里語他)」とも言います。
あんし崖から落てぃてぃ死じゃんでぃぬ事やいびいん=そして崖から落ちて死んだとの事です。 非丁寧文は「~事やん」。
だあ、ぞうい、一言、二言しとぅずみらりゆみ=でしょうが、絶対に一言二言で終われるものか。 
うぬ後お明日やあさい=続きは明日

 明日(あちゃ)ぬ旧暦(きゅう)ぬ12月8日(ようか)あ、餅(むうちい)やいびいん。
 我(わ)っ達(たあ)シマんじえ、1日餅(ちいたちむうちい)やいびいしが、何(ぬう)んでぃち、西方(いりいかた)とお7日(なぬか)なあん日(ふぃい)ぬ違ゆがんでぃゆる事(くと)お、今(なま)ちきてぃ分かやびらん。 
 あるっ人(ちゅ)が、西方餅や「ほうはいむうちい(注)」、与勝餅え「かあさ餅(注)」んでぃち言ちょおいびいたいしが、与勝ん西方とぅ同(い)ぬ「ほうはいむうちい」やい、又西方ん「かあさ餅」やる事お与勝とぅ同ぬむんやいびいん。
 童(わらび)ぬばすお、シマぬ餅ん無(ね)えらんなてぃから、西方から餅匂ぬし来(ち)いねえ(実ねえ、匂する訳えあらな、話ぬ聞かりてぃ来ゅうるうっぴ)、でえじな、羨(うれ)えまさぬないびらんたん。
 うんにいぬ童ん達や、どぅくだら、うがりてぃが居(をぅ)たらえら、餅ぬ4、5日前(しぐちにめえ)からあ、いいくる「餅取合(むうちいとぅええ)」し遊(あし)どおいびいたん。
 地面(じい)んかい置(う)ちきてえる相手(ええてぃ)ぬ瓦(かあら)欠片(かき)んかい、離(はな)りとおる所(とぅくる)から、自(どぅう)ぬ欠片投ぎてぃ、相手ぬ欠片んかい当てぃゆる事ぬないねえ、相手から餅一(てぃい)ち得(い)いゆる事ぬなやびいん。やしが、相手から当てぃらりいねえ、相手んかい餅一ち、取らんさんでえないびらん。
  
 うんな餅賭き合遊びどぅやいびいたしが、どぅく負け強さぬ泣か泣かそおる童ん居いびいたん。

注:「ほうはいむうちい」とぅ「かあさむうちい」ぬ話や明日、明後日やあさい。

【語句】
明日ぬ旧暦ぬ8日あ、餅やいびいん=明日旧暦の12月8日はムーチーに日です。非丁寧文は「~餅やん」。
我っ達シマんじえ、1日餅やいびいしが=私の故郷では1日ムーチーですが、 非丁寧文は「~1日餅やしが」
何んでぃち、西方とお=なぜ、西部方面とは  「西方(いりいかた)」とは与勝地方から見た西側一体(北部から南部までの総称、『沖縄語辞典』には載っていません)。
7日なあん日ぬ違ゆがんでぃゆる事お=7日も日がずれているのかとう事については
今ちきてぃ分かやびらん=いまだ嘗て知らない。
あるっ人が、西方餅や「ほうはいむうちい」=ある人が西部のムーチーは「陰部張り餅」で
与勝餅え「かあさ餅」んでぃち=与勝ムーチーは「かあさむうちい」だと、
言ちょおいびいたいしが=言ってましたが、 非丁寧文は「言ちょおたしが」
与勝ん西方とぅ同ぬ「ほうはいむうちい」やい=与勝も西部も同じ「ほうはいムーチー」であり、
又西方ん「かあさ餅」やる事お=また、西部も「かあさムーチー」であることは、
与勝とぅ同ぬむんやいびいん=与勝と変わりはありません。非丁寧文は「~同ぬむんやん」。
童ぬばすお、シマぬ餅ん無えらんなてぃから=子供の頃は故郷のムーチーも無なくなってから、
西方から餅匂ぬし来いねえ=西部からムーチーの匂いがして来れば、
実ねえ、匂する訳えあらな=実際に匂いがするわけではなく、
話ぬ聞かりてぃ来ゅうるうっぴ=話が聞こえてくるだけ
でえじな、羨えまさぬないびらんたん=大変、羨ましくてなりませんでした。非丁寧文は「~羨まさぬならんたん」。
うんにいぬ童ん達や=あの頃の子供たちは、
どぅくだら、うがりてぃが居たらえら=ひどく、飢えていたのか、  「うがりゆん」は地域によっては「ふがりゆん、ふがりいん」等。
餅ぬ4、5日前からあ、いいくる=ムーチーの4,5日前からは、大抵、
餅取合し遊どおいびいたん=ムーチー取り遊びをしていました。非丁寧文は「~遊どおたん」。「餅取合え(むうちいとぅええ)」は、首里ではそういう遊びはなかったのか『沖縄語辞典』にはありません。
地面んかい置ちきてえる相手ぬ瓦ぬ欠片んかい=地面においた相手の瓦の欠片に
離りとおる所から、自ぬ欠片投ぎてぃ=離れた所から自分の欠片を投げ、
相手ぬ欠片んかい当てぃゆる事ぬないねえ=相手の欠片に当てる事ができれば、
相手から餅一ち得いゆる事ぬなやびいん=相手からムーチー一個を得る事ができます。「なやびいん」は「ないびいん」も多々あります。非丁寧文は「~事ぬなゆん」。
やしが、相手から当てぃらりいねえ=だが、相手から当てられると、
相手んかい餅一ち、取らんさんでえないびらん=相手にムーチー一個を呉れなければなりません。非丁寧文は「~取らさんでえならん」。
うんな餅賭き合遊びどぅやいびいたしが=そんなムーチー賭けをやっていたのですが、 非丁寧文は「~遊びどぅやたしが」。
どぅく負け強さぬ泣か泣かそおる童ん居いびいたん=あまりにも、負けすぎて泣きそうにしている子供いました。非丁寧文は「~居たん」。
「ほうはいむうちい」とぅ「かあさむうちい」ぬ話や明日、明後日やあさい=「ほうはいむうちい」と「かあさむうちい」については明日か明後日ということに

↑このページのトップヘ