うちなあぐち日記

うちなあぐちえ 聴ち美らさ 語い美らさ 書ち美らさ

2013年11月

 くぬ前(めえ)、ある記念写真んかい写(うちゅ)とおる自(どぅう)ぬ姿(しがた)見(ん)ち、まぬく突(ち)ちゃあさびたん。まあぬ御年寄(うとぅす)いがやらんでぃ、思(うみ)いねえ、自どぅやいびいたる。
 鏡(かがん)や、毎日(めえにち)見(ん)じい慣いてぃとおくとぅがやいびいら、あんすかまでぃ、年取(とぅしとぅ)とおんでえ、思(うむ)やびらんしが、まるけえてぃ、写真見(ん)じいねえ、とぅんもうやびいん。あいんちゃ、年ぬ分(ぶ)のお、実(じゅん)に、年取とおるむんでぃ思やびてぃ。
 今(なま)あ、洗面台(ちらあれえどぅくる)んかい、鏡ぬあしえ、当たり前(めえ)やいびいしが、小学生(しょうぐぁくしい)まんぐるまでえ、鏡ぬ備あとおたんでぃゆる覚(うび)い)や無(ね)えやびらん。
 やいびいくとぅ、中学生(ちゅうぐぁくしい)あらんでえ高校時分(こうこうじぶん)からあ、いいくる毎日、鏡ぬ中(なあか)ぬ自(どぅう)ぬ面(ちら、つぃら)とぅ、ゆんたく・物語合(むぬがたいええ)小(ぐぁあ)さあに、ふぃらとおいびいたくとぅ、年取ゆしん、だあ、気(ちい)に付(ち)ちゃびな、うんにいから、今ぬ今までぃ、同(い)ぬ面なてぃどぅ見いやびいる。
 やいびいしが、写真とお、平生(ふぃいじい)や、ふぃらてぃん見(な)あびたんくとぅ、でえじな、冷(ふぃ)ずるうやいびいん。
 考(かんげ)えてぃ見(ん)じいねえ、鏡や、肝心(ちむぐくる)ぬ都合(ちごう)びけんどぅ写(うちゅ)ちょおる、実にぬ姿(しがた)あ、写さんどぅる筈(はじ)やいびいん。やいびいしが、写真や、肝心写さん代わい、実にぬ姿びけんどぅ写ちょおる筈やいびいん。

 
【語句】
くぬ前、ある記念写真んかい写とおる自ぬ姿見ち=この前、ある記念写真に写っている自分の姿をみて、
まぬく突ちゃあさびたん=眉を顰めました。非丁寧文は「~突ちゃあちゃん」。
まあぬ御年寄いがやらんでぃ、思いねえ=どこの御年寄りかと思えば、
自どぅやいびいたる=自分だったのです。非丁寧文は「自どぅやたる」。
鏡や、毎日見じい慣いてぃとおくとぅがやいびいら=鏡は毎日見慣れているからなのでしょうか。非丁寧文は「~くとぅがやら」。
あんすかまでぃ、年取とおんでえ=そんなにもまで、年を取っているとは、
思やびらんしが、まるけえてぃ、写真見じいねえ=思いませんが、たまに、写真をみると。非丁寧文は「思あんしが」。
とぅんもうやびいん=びっくりします。
あいんちゃ、年ぬ分のお、実に=なるほど、年の分は本当に、
年取とおるむんでぃ思やびてぃ=年を取っているのだな思って。  非丁寧文は「思てぃ」。
今あ、洗面台んかい、鏡ぬあしえ=今は、洗面台に鏡があるのは、
当たり前やいびいしが、小学生まんぐるまでえ=当然ですが、小学生の頃までは、  非丁寧文は「当たい前やしが」。
鏡ぬ備あとおたんでぃゆる覚いや無えやびらん=鏡が備わっていたという記億はありません。非丁寧文は「~無えらん」。
やいびいくとぅ、中学生あらんでえ高校時分からあ=ですから、中学生またが高校時分からは、 非丁寧文は「やくとぅ」。
いいくる毎日、鏡ぬ中ぬ自ぬ面とぅ=殆ど毎日、鏡の中の自分の顔と、
ゆんたく・物語合小さあに、ふぃらとおいびいたくとぅ=おしゃべり・語り合いをして付き合っていましたので、  非丁寧文は「~ふぃたとおやくとぅ」。
年取ゆしん、だあ、気に付ちゃびな=年を取るのも、ほれ、気がつかないで、
うんにいから、今ぬ今までぃ=あの頃から、今にいたるまで
同ぬ面なてぃどぅ見いやびいる=同じ顔のように見えるのです。非丁寧文は「~見ゆる」。
やいびいしが、写真とお、平生や=ですが、写真とは、普段は、  非丁寧文は「やしが」。
ふぃらてぃん見あびたんくとぅ=付き合ったこともないので、 非丁寧文は「~見だんくとぅ」。
でえじな、冷ずるうやいびいん=とても、冷淡です。非丁寧文は「~冷ずるうやん」。
考えてぃ見じいねえ、鏡や=考えてもみれば、鏡は、
肝心ぬ都合びけんどぅ写ちょおる=気持ちの都合だけを写しているのであって、
実にぬ姿あ、写さんどぅる筈やいびいん=本当の姿は写してないのかしれません。非丁寧文は「~筈やん」。
やいびいしが、写真や、肝心写さん代わい=ですが、写真は気持ちを写さない代わりに、 非丁寧文は「やしが」。
実にぬ姿びけんどぅ写ちょおる筈やいびいん=本当の姿を写しているのかもしれません。非丁寧文は「~筈やん」。

 我(わあ)が小学校(しょうぐぁっこう)ぬばすぬ話(はなし)どぅやいびいる。
 畑道小(はりみちぐぁあ)広(ふぃる)ぎゆる為(たみ)ぬ道普請(みちぶしん)ぬあいびいたん。うぬ普請すぬ人(ちゅ)ん達(ちゃあ)んかいや、日(ふぃい)に手間(てぃま)50セント呉(くぃ)ゆんでぃぬ事(くとぅ)やいびいたん。
 普請すぬ所(とぅくま)あんかいや、家(やあ)から歩(あ)っち、5分ぬんてえさびらんたん。
 大人(うふっちゅ)お、諸(むる)、いそうさし、我(わん)から我からあし、アシャギんかい置(う)ちぇえたるショベルとぅかツルハシそうなむん担(かた)みてぃ、普請そおる所んかい、行ちゃびいたん。大人振(ふう)なあし、普請ぬんかい行ちゅる中学生(ちゅうぐぁくしい)ん居(をぅ)いびいたん。我(わん)にん、如何(ちゃあ)そおてぃん、50セントぬ欲(ふ)しゃぬ、中学生やてえれえんでぃ、肝(ちむ)ぬ底(すく)から思(うむ)てぃ、家(やあ)んじ、ちゃんちゃんそおいびいたん。
 何(ぬう)んかい使(ちか)ゆんち、50セントなあん欲しゃがんでえ、うんにいや、映画ぬはねえちょおたる時代(ゆう)やいびいたくとぅ、見(ん)じい欲(ぶ)しゃる映画ぬあたくとぅやいびいん。
 古鉄(ふるがに)とぅか酒瓶集(さきびんあち)みてぃ、売(う)てぃん、10セント、20セントなあぬ小遣(ぐまじけ)えどぅないびいたる。やいびいとぅ、道普請さあに、50セント得いらりいんでぃゆしえ、でえじなぬ、儲(もう)き話やいびいたん。

 やいびいしが、今(なま)ぬ世(ゆう)ぬ道普請や、うすましいむんやいびいん。山ん野(もう)ん、畑道ん、いっそうから、わい開きやあに、地形ん地図んいっそうから、まるまるうとぅ、けえ変えやびいん。あんすけなあまでぃ、うぬ道え要り用やいがさびいら。どぅく、道造(みちちゅく)い強(じゅう)さぬ、道ざあまびけんなやびいさ。
 くぬ前(めえ)、童(わらび)ぬばす、良(ゆ)う遊(あし)びいが行(ん)じゃる山道え、無事(ぶじ)やたくとぅ、肝(ちむ)いしやびたんしが、んまん、何時(いち)が、壊(くう)さりいがすらんでぃ思(うみ)いねえ、肝ん肝ないびらん。
【語句】
我が小学校ぬばすぬ話どぅやいびいる=私が小学校のときの話なのです。非丁寧文は「~どぅやる」。「どぅやいびいる」は都市部で「でえびる」と約まっていますが、その波は地方にも及んでいます。「どぅやる」も「だる」と約まっています。
畑道小広ぎゆる為ぬ道普請ぬあいびいたん=農道を広げるための道路工事がありました。非丁寧文は「~ぬあたん」。
うぬ普請すぬ人ん達んかいや=その道路工事をする人々には、
日に手間50セント呉ゆんでぃぬ事やいびいたん=日に手間賃50セントを支給するとの事でした。非丁寧文は「~事やたん」。
普請すぬ所あんかいや=工事現場には
家から歩っち、5分ぬんてえさびらんたん=家から歩いて五分とかからりませんでした。非丁寧文は「~てえさんたん」。
大人お、諸、いそうさし、我から我からあし=大人達は、みんな、我先にと、
アシャギんかい置ちぇえたる=納屋に置いてあった
ショベルとぅかツルハシそうなむん担みてぃ=ショベルやツルハシのようなものを担いで、
普請そおる所んかい、行ちゃびいたん=工事現場に行きました。非丁寧文は「~行ちゅたん」。
大人振なあし=大人の振りして、
普請ぬんかい行ちゅる中学生ん居いびいたん=工事現場に行く中学生もいました。非丁寧文は「~居たん」。
我にん、如何そおてぃん、50セントぬ欲しゃぬ=私もどうしても50セントがほしくて、
中学生やてえれえんでぃ、肝ぬ底から思てぃ=中学生だったらと心底思い、
家んじ、ちゃんちゃんそおいびいたん=家で地団太を踏んでいました。非丁寧文は「~ちゃんちゃんそおたん」。
何んかい使ゆんち、50セントなあん欲しゃがんでえ=何に使うために50セントも欲しいかといえば、
うんにいや、映画ぬはねえちょおたる時代やいびいたくとぅ=あの頃は映画全盛時代でしたので、 非丁寧文は「~時代やたくとぅ」。
見じい欲しゃる映画ぬあたくとぅやいびいん=見たい映画があったからです。非丁寧文は「~くとぅやん」。
古鉄とぅか酒瓶集みてぃ、売てぃん=くず鉄や空き瓶を集めて売っても、
10セント、20セントなあぬ=10セント、20セントぐらいの
小遣えどぅないびいたる=小遣いにしかなりませんでした。非丁寧文は「~なゆたる」。
やいびいとぅ、道普請さあに=ですから、道路工事をして、非丁寧文は「やしが」。
50セント得いらりいんでぃゆしえ=50セント貰えるというのは、
でえじなぬ、儲き話やいびいたん=大変な儲け話だったのです。非丁寧文は「~話やたん」。
やいびいしが、今ぬ世ぬ道普請や=ですが、現代の道路工事は、非丁寧文は「やしが」。
うすましいむんやいびいん=恐ろしいものです。非丁寧文は「うすまさん」。
山ん野ん、畑道ん、いっそうから=山も野も農道も、片っ端から、
わい開きやあに、地形ん地図んいっそうから=強引に開き、地形も地図も片っ端から
まるまるうとぅ、けえ変えやびいん=すっかり変えてしまいます。
あんすけなあまでぃ、うぬ道え要り用やいがさびいら=そんなにまで、その道路は必要なのでしょうか。非丁寧文は「~やいがすら」。
どぅく、道造い強さぬ、道ざあまびけんなやびいさ=あまりにも、道路を作りすぎて、道にも迷ってばかりいます。非丁寧文は「~びけんなゆだ」。
くぬ前、童ぬばす、良う遊びいが行じゃる山道え=この前、子供の頃に良く遊びにいった山道は、
無事やたくとぅ、肝いしやびたんしが=無地だったので、ほっとしましたが、
んまん、何時が、壊さりいがすらんでぃ思いねえ=そこの何時壊されるのかと思うと、
肝ん肝ないびらん=心も心になりません。

↑このページのトップヘ