まるけえてぃなあ、うちなあぐちゆ日本語んかい訳し取(とぅ)らしんでぃち頼(たぬ)まりいる事ぬあいびいん。やいびいしが、今(なま)ちきてぃ、厄介(やっけえ)やる言葉(くとぅば)ぬあいびいん。
 
 うちなあぐちぬ感嘆詞ぬ一(てぃい)ちやる「てえ」や、「どお」「さ」「よ」んでえとし同(い)ぬむん、いいくる使(ちか)やびいしが、日本語んかい訳すしえ、厄介(やっけえ)やいびいん。

「やんばあてえ」(某CM)ぬ訳お、「であるわけ」、
「今日(ちゅう)ぬ夕飯(ゆうばん)何(ぬ)やがてー」(民謡「ちんぬくじゅうしい」)や「今日の夕飯は何かな(何か)」
 んでぃち、なゆる筈(はじ)やいびいしが、下(しちゃ)ぬばあどぅ厄介やいびいる。

「汝(いゃあ)ん来(ち)ゅうんてえ」、
「子(くぁ)ん連(そ)うてぃ、行ちゅんてえ
「頭(ちぶる)ぬる違(ちが)とおんてえ
 んでえぬばすぬ「てえ」や、如何(ちゃ)ぬ風儀(ふうじい)さあに、訳しえ、済(し)まびいが。

 なあ、仕方あないびらん。下ぬ如(ぐとぅ)し、複数訳しなあびら…。
「君も来るわけさあ」「君も来れば」??
「子供も連れて行くようにしたら」「子供も連れて行ったら」??
「頭がおかしくなっているんだろう」「頭がおかしくなったわけ」??

 先(ま)じえんでぃち、『沖縄語辞典』見(な)あびたれえ、「tee(助)『と言い』。繰り返して用いることが多い」(例文とぅさあに)「行ちゅんてえ、行かんてえ おおええてぃいええしゅなよお」。(また例文とぅさあに)「やんてえ、あらんてえ。甲乙反駁」んでぃちあいびいん。(ローマ字表記なとおる『辞書』ぬ例文や、我表記法んかい書ち直さびたん。)

辞書が「と言い」「甲乙反駁」んでぃゆる意味(ちむええ)ぬ助詞んでぃ言(ゆ)らあ、うりん済(し)ましいしが、「繰り返して用いることが多い」んでぃしえ、首里んじぬ話がやいびいら。

 やいびいしが、「てえ」や日本語んかい、如何し訳すがんでぃゆる事(くとぅ)にちいてえ、『辞典』見ちん分かかやびらん。文脈から、「意訳する」他(ふか)あ無(ね)えやびらんぎさん。

 「てえてえ物言い」どぅやいびいたる。

【語句】 
まるけえてぃなあ=たまに、
うちなあぐちゆ日本語んかい訳し取らしんでぃち=沖縄語を日本語に訳してほしいと。「うちなあぐちゆ」の「ゆ」(日本語の「を」に対応)は口語では殆ど用いませんが、ここではあえて用いました。
頼まりいる事ぬあいびいん=頼まれることがあります。非丁寧文は「~事ぬあん」。
やいびいしが=ですが。非丁寧文は「やしが」。
今ちきてぃ=いまだに
厄介やる言葉ぬあいびいん=厄介な言葉があります。非丁寧文は「~言葉ぬあん」。
うちなあぐちぬ感嘆詞ぬ一ちやる=沖縄語の感嘆詞の一つである(註:筆者は『沖縄語辞典』とは別に「てえ」を感嘆詞として扱っています。)
「てえ」や、「どお」「さ」「よ」んでえとし同ぬむん=「てえ」は「どお」「さ」「よ」と同じく。「同(い)ぬむん」は「ゆむむん」ともいい地方が多いようです。
いいくる使やびいしが=よく使いますが。非丁寧文は「~使ゆしが」。
日本語んかい訳すしえ=日本語に訳するのは、
厄介やいびいん=厄介です。非丁寧文は「厄介やん」。
「やんばあてえ」ぬ訳お=「やんばあてえ」の訳は、
「であるわけさ」=同
「今日ぬ夕飯(ゆうばん)何(ぬ)やがてー」や=「今日ぬ夕飯何やがてえ」の訳は。(民謡「ちんぬくじゅうしい」より)。参考「ちんぬくじゅうしい」は「鶴の子(里芋)雑炊」の意味。
「今日の夕飯は何かな(何かね)=同
んでぃち、なゆる筈やいびいしが=となるはずなのですが、非丁寧文は「~筈やしが」。
下ぬばあどぅ厄介やいびいる=次の例文の場合が厄介なのです。非丁寧文は「厄介やる」。「どぅ」は前語を強調する助詞で、次にくる用言「やいびいん」は連体形で「やいびいる」結びます。
「汝ん来ゅうんてえ」=下
「子ん連うてぃ、行ちゅんてえ」=下
「頭ぬる違とおんてえ」=下。「頭ぬる」の「る」は強調助詞「どぅ」の清音で、通常はそれを浮ける用言は連体形で結びますが、この文では文末に感嘆詞「てえ」がきているので連体形で結びません(感嘆詞、疑問詞優先の法則)。
んでえぬばすぬ「てえ」や=などの場合の「てえ」は
如何ぬ風儀さあに=どのように
訳しえ、済まびいが=訳したらよいのでしょうか。
なあ、仕方あないびらん。では、仕方がありません。非丁寧文は「仕方あならん」。
下ぬ如し、複数訳しなあびら…=次のように意訳してみましょう…。非丁寧文は「複数意訳しんだ」。
「君も来るわけさあ」「君も来れば」??=同
「子供も連れて行くようにしたら」「子供も連れて行ったら」??=同
「頭がおかしくなっているんだろう」「頭がおかしくなったわけ」??=同
先じえんでぃち=まずはと思い、
『沖縄語辞典』見あびたれえ=『沖縄語辞典』を開くと、
「tee(助)『と言い』。繰り返して用いることが多い」=同
例文とぅさあに=例文として
「行ちゅんてえ、行かんてえ おおええてぃいええしゅなよお」=「行くよ、行かないよ」と。「しゅなよ」は首里系語で那覇の一部や地方では「すなよ」。大勢として後者が優勢です。筆者も『実践うちなあぐち教本』『遥かなるパーパティローマ』と前者だったり後者だったりしきましたが、今では、すっかり後者派となりました。
また例文とぅさあに=また例文として
)「やんてえ、あらんてえ。甲乙反駁」んでぃちあいびいん。=「そうだよ、そうじゃないよ。甲乙反駁」。
ローマ字表記なとおる『辞書』ぬ例文や=ローマ字表記になっている『辞書』の例文は
我表記法んかい書ち直さびたん=私自身の表記表で書き直ししました。非丁寧文は「書ち直ちゃん」。
辞書が「と言い」「甲乙反駁」んでぃゆる=辞書が「と言い」「甲乙反駁」という
意味ぬ助詞んでぃ言らあ=意味の助詞というなら
うりん済ましいしが=それも構いませんが、
「繰り返して用いることが多い」んでぃしえ=「繰り返して用いることが多い」というのは
首里んじぬ話がやいびいら=首里においてのことなのでしょうか。
やいびいしが=ですが。非丁寧文は「やしが」。
「てえ」や日本語んかい=「てえ」を日本語に、
如何し訳すがんでぃゆる事にちいてえ=どのように訳するかということについては、
『辞典』見ちん分かかやびらん=『辞典』を参考にしても分かりません。非丁寧文は「~分からん」。
文脈から、「意訳すぬ」他あ無えやびらんぎさいびいん=文脈から「意訳する」他ないようです。非丁寧文は「~ぎさん」。「意訳すぬ」は「意訳する」でもよいです。前者は連体修飾用法で後者は動詞連体形です。
「てえてえ物言い」どぅやいびいたる=
しどろもどろの話なのでした。'''非丁寧文は「~やたる」。「どぅ」は前語を強調する助詞で、次にくる用言「やいびいたん」は連体形「やいびいたる」で結びます。