うちなあぐち日記

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2012年10月

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 台風一過の桜
 台風17号がでえじなぬ強(ちゅう)ばあやいびいたくとぅ、21号や何(ぬう)ん恐(うとぅる)しいむぬおあいびらんたん。
 やいびいしが、21号ぬ走ちゃる後(あとぅ)からあ、涼(しだ)さんでぃ言(ゆ)しやか、寒(ふぃい)さるあいびいたる。夜(ゆる)なたれえ、なあ、ふしがらな、半ズボンはじやあに、トレーナーパンツはちゃびたん。空気ん乾(かあ)らち、寝(に)んじゅるばあや、毛布ん被(かん)だんでえならんあたいやいびいたん。

 やいびいしが、うぬ後がるふぃるましむんやいびいたる。
 17号ぬ潮風(うすかじ)さあに、けえ枯(か)らさったる桜ぬ葉(ふぁあ)や、21号なかい吹ち飛(とぅ)ばさってぃ、いっそうから無(ね)えらんなとおたいびいたしが、うぬなあ明日(あちゃ)、桜ぬ花ぬ5~6輪びけえ咲ちょおいびいたん。
 うっぴ小(ぐぁあ)ぬ寒暖ぬ違えみなかいやてぃん桜んでぃしえ、咲ちゅるむぬがやいびいら。


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台風花

  また、台風花あ、いいくる台風ぬ走ちゃる、2~3日後まんぐるから、必(かんな)じ咲ちゅるむぬやいびいしが、見(ん)ちゃれえ、17号なかい、あいゆかん、葉ぬさっとおたる為なかいがやびいらあ、21号ぬ後ん、咲ちゆさびらんたる風儀(ふうじ)。

【語句】
台風17号がでえじなぬ強ばあやいびいたくとぅ=台風17号が大変強かったので。非丁寧文は「~強ばあやたくとぅ」。
21号や何ん恐しいむぬおあいびらんたん=21号は何ら怖いものではありませんでした。非丁寧文は「~むぬおあらんたん」。
やいびいしが、21号ぬ走ちゃる後からあ=ですが、21号が去った後からは。非丁寧文は「やしが」。
涼さんでぃ言しやか、寒さるあいびいたる=涼しいというより、寒かったです。非丁寧文は「寒さるあたる」。「寒さる」の「る」は前語を強調する助詞「どぅ」の清音です。次にくる用言「あいびいたん」は通常は連体形「あいびいたる」で結びます。
夜なたれえ、なあ、ふしがらな=夜になったら、もう我慢ができず、
半ズボンはじやあに=半ズボンを脱ぎ、
トレーナーパンツはちゃびたん=トレーナーパンツをはきました。非丁寧文は「~はちゃん」。
空気ん乾らち、寝んじゅるばあや=空気も乾燥し、寝るときは、
毛布ん被だんでえならんあたいやいびいたん=毛布も被らないとういけないほどでした。非丁寧文は「~あたいやたん」。
やいびいしが=ですが。非丁寧文は「やしが」。
うぬ後がるふぃるましむんやいびいたる=その後がめずらしいものでした。非丁寧文は「~むんやたる」。
17号ぬ潮風さあに=17号の潮風で
けえ枯らさったる桜ぬ葉や=枯らされてしまった桜の葉は
21号なかい吹ち飛ばさってぃ=21号で吹き飛ばされ、
いっそうから無えらんなとおたいびいたしが=片っ端から無くなっていましたが。非丁寧文は「~無えらんなとおたしが」。
うぬなあ明日、桜ぬ花ぬ5~6輪びけえ=その翌日、桜の花が5~6輪ほど
咲ちょおいびいたん=咲いていました。非丁寧文は「咲ちょおたん」。
うっぴ小ぬ寒暖ぬ違えみなかいやてぃん=それ程度の寒暖の差でも、
桜んでぃしえ、咲ちゅるむぬがやいびいら=桜というものは、咲くものなのでしょうか。非丁寧文は「~むぬがやら」。
また、台風花あ、いいくる台風ぬ走ちゃる=また、台風花は、だいたい台風が去った
2~3日後まんぐるから=2~3日後ぐらいから
必じ咲ちゅるむぬやいびいしが=必ず咲くものであるが、
見ちゃれえ=覗いたら、
17号なかい、あいゆかん=17号に、こっぴどく
葉ぬさっとおたる為なかいがやびいらあ=葉が痛めつけ垂れた為なのでしょうか。非丁寧文は「~なかいがやら」。
21号ぬ後ん、咲ちゆさびらんたる風儀=21号の後も咲く事はできなかった模様

 なあ、何年(なんに)ぬん前(めえ)ぬ話どぅやいびいる。
 我友(わあどぅし)やたる故人I氏や、同(い)ぬシマぬ人(ちゅ)ん達(ちゃあ)とぅ同ぬむん、まる平生(ふぃいじい)んうちなあぐちし暮らちょおいびいたん。
 まんぐらんかい住どおたるうぬ友え、ある集会(すりい)んじ、挨拶(いぇえさち)する如(ぐとぅ)、頼(たぬ)まっとおんでぃち、我(わん)訪(たじに)てぃ、来(ち)ゃあびたん。
 友え、頼まったる挨拶え、必(かんな)じ、うちなあぐちしさんでえならんでぃち考(かんげ)えてぃ、「かぎやで風」ぬ歌詞ん引用する積(ち)むええそおいびいたん。あんし、我(わん)にんかい、「けふぬほこらしややなをにぎなたてる」ぬ「けふ」や首里那覇(すいなあふぁ)ぬ言葉んかい直(のお)ち、「ちゅう」んでぃ言(い)れえ済(し)むみ」んでぃち、訊(ち)ちゃびいたくとぅ、我ねえ、 古典民謡(うふぶし)さあ達(たあ)ぬする通(とぅう)いに「きゆ」やましえあらに」んでぃち、うわあばなアドバイスけえさる事(くとぅ)ぬあいびいん。
 「けふ」や、ふぃるまさしむんやいびい。二けん合音化(再合音化)しえ、居(をぅ)らんがやあんでぃ思(うみ)ゆる事ぬあいびいん。「古典民謡声楽」んじえ、「けふ」ぬ合音とぅさあに、「きゆ」やいびいしが、口語んじえ、旧中山国とぅうぬまんぐらあんじえ「ちゅう」んかいなとおいびいる。(地方んじえ「きゆ」「くう」)。
 「文献」見じいねえ、いいくる下(しちゃ)ぬ如(ぐと)おいびいん。
 「きこゑ大きみや けよ ふらすあめや きやのうちみやに こかね ふりみちへて 略けおのゆかるひに けおのきやかるひに」(おもろ19-1)
 「けよは わかとのうち あちやは こめす かちへ」(おもろ995-14)
 組踊世琉歌世ないねえ、日本語ぬ歴史的仮名遣え取い入りやあに、「けよ、けお」からいいくる「けふ」んかい変わとおいびいん。
 「けふのほこらしやや なをにぎやなたてる」(かぎやで風節)
 「けふぬ座敷は祝いの座敷」(与那原節)

【註】いいくる琉歌しなとおる古典民謡や、開音し表記(ひょうち)さっとおる歌詞え、合音(声楽表記)し、読(ゆ)むしえ、当たり前(めえ)やいびいしが、「おもろさうし」とぅか「組踊脚本」やてぃん、合音し読みいねえ、積(ち)むええん分かい易っさいびいんさ。
 なあ一言葉。長音とぅしち、長音記号「-」使ゆる表記しえ、開音合音ぬ関係ぬ分かいぐりしゃいびいくとぅ、長音表記え日本語ねえし、母音使ゆしえましやいびいさ。あんしいねえ、開合んちゅらく対応さびゆい…。 

【語句】
なあ、何年ぬん前ぬ話どぅやいびいる=もう何年も前の話です。」は前語を強調する助詞で、次にくる「やいびいん」は連体形「やいびいる」で結ばれています。非丁寧文は「~どぅやる」。
我友やたる故人I氏や=私の友人であった故I氏は、
同ぬシマぬ人ん達とぅ同ぬむん=同郷の人たち同様に、
まる平生うちなあぐちし=普段、沖縄語で
暮らちょおいびいたん=生活していました。非丁寧文は「暮らちょおたん」。
まんぐらんかい住どおたるうぬ友え=ちかくに住んでいたその友人は
ある集会んじ、挨拶する如、頼まっとおんでぃち=ある集会での挨拶をするよう頼まれたということで、
我訪てぃ、来ゃあびたん=私を訪ねてきました。非丁寧文は「~来ゃん」。
友え、頼まったる挨拶え=友人は頼まれた挨拶は
必じ=強いてまで
うちなあぐちしさんでえならんでぃち考えてぃ=沖縄語でしなければならないと考え、
「かぎやで風」ぬ歌詞ん引用する=「かぎやで風節」の歌詞を引用する。「かぎやで風」は合音では「かじゃでぃ風」。
積むええそおいびいたん=積もりでいました
あんし、我にんかい=そして私に、
「けふぬほこらしややなをにぎなたてる」ぬ=「けふぬほこらしややなをにぎなてたてる」の
「けふ」や首里那覇ぬ言葉んかい直ち=「けふ」は首里那覇の言葉に直して、
「ちゅう」んでぃ言れえ済むみ」んでぃち=「ちゅう」と言ってもよいのか」と、
訊ちゃびいたくとぅ=訊きましたので。間接過去。非丁寧文は「訊ちゅたくとぅ」。
我ねえ、古典民謡さあ達ぬする通いに=私は古典民謡をする人たちがするのと同じように、
「きゆ」やましえあらに」んでぃち=「きゆ」がよいのではないかと、
うわあばなアドバイスけえさる事ぬあいびいん=余計なアドバイスをしてしまったことがあります。非丁寧文は「事ぬあん」。
「けふ」や、ふぃるまさしむんやいびい=「けふ」は珍しい語です。非丁寧文は「~ふぃるまさん」。
二けん合音化(再合音化)しえ=二回も合音化(再合音化)して
居らんがやあんでぃ思ゆる事ぬあいびいん=いないのかと思うことがあります。非丁寧文は「~事ぬあん」。
「古典民謡声楽」んじえ=「古典音楽声楽」では、
「けふ」ぬ合音とぅさあに=「けふ」の合音として
「きゆ」やいびいしが=「きゆ」なのですが。非丁寧文は「~やしが」。
口語んじえ、旧中山国とぅうぬまんぐらあんじえ=口語では、旧中山国とその周辺では、
「ちゅう」んかいなとおいびいる=「ちゅう」になっているのです。「どぅ」については前述。非丁寧文は「~なとおる」。
地方んじえ「きゆ」「くう」=地方では「きゆ」「くう」。
「文献」見じいねえ=「文献」を見れば、
いいくる下ぬ如おいびいん=概ね、下記の通りです。非丁寧文は「~如おん」。
きこゑ大きみや=聞得大君よ(ちくいうふじみ〔ちふぃじん〕よ)。(括弧)内は合音、以下同じ。文末の「や」を係助詞「や」と解釈する方が多いが、私はこれを感嘆助詞「よ」の開音とみなした方が文脈的にすっきりすると思います(勝手ながら)。
けよ ふらすあめや=今日降らす雨は(ちゅう ふらす あみ や)
きやのうちみやに=京の内庭に(ちょうぬ うちなあ に)
こかね ふりみちへて=黄金降り満ちて(くがに ふいみちてぃ)。「ふりみちへて」における「へ」は、ここでは、オモロが音曲に乗せられた歌詞であることを考えれば、母音子音の感覚のなかった当時、「ち」の長音の一種(ある条件下の「わ」「う」などとともに)として表記したものと思われます。オモロは意味的優先ではなく、「歌う」ことを優先に表記された歌謡集なのです。そのため、「せじ、だか(聖高)」のように単語の間に読点を附する場合もあるのです。
けおのゆかるひに=今日の良き日に(ちゅう〔きゆ〕ぬゆかるひに)
けおのきやかるひに=今日のすばらしい日に(ちゅう〔きゆ〕ぬじゃかるひに)。近年はこの慣例的言い回しは「今日の良かる日、今日の勝る日」へと変化しています。
けよは わかとのうち=今日は若殿内(ちゅう〔きゆ〕やわかどぅんち)
あちやは こめす かちへ=明日は米須へ(あちゃあ くみしかち)。「かち」は「~へ(かい、んかい)」(和古語では「かり」)。
組踊世琉歌世ないねえ=組踊時代、琉歌時代になれば、
日本語ぬ歴史的仮名遣ん取い入りやあに=日本語の歴史的仮名遣いもまねて
「けよ、けお」からいいくる「けふ」んかい=「けよ」「けお」から大概「けふ」へ
変わとおいびいん=変化しています。非丁寧文は「変わとおん」。
けふのほこらしやや=今日の喜ばしさは(きゆぬ ふくらしゃや)
なをにぎやなたてる=何にたとえようか(なうにじゃなたてぃる)
けふぬ座敷は祝いの座敷=今日の座敷は祝いの座敷(きゆぬざしちはゆわいぬざしち)
いいくる琉歌しなとおる古典民謡や=だいたいは琉歌で成っている古典民謡は
開音し表記さっとおる歌詞え=開音で表記されている歌詞は
合音(声楽表記)し、読むしえ=合音で読むのは
当たり前やいびいしが=当然なのであるが。非丁寧文は「~やしが」。
「おもろさうし」とぅか「組踊脚本」やてぃん=「おもろさうし」や「組踊脚本」でも
合音し読みいねえ=合音式で(に変換して)読めば
積むええん分かい易っさいびいんさ=意味が分かりやすいですよ。非丁寧文は「~易っさん」。
なあ一言葉=もう一言。
長音とぅしち、長音記号「-」使ゆる表記しえ=長音として、長音記号を使う表記は、
開音合音ぬ関係ぬ分かいぐりしゃいびいくとぅ=開音合音の関係がわかりづらくなりますので。非丁寧文は「~ぐりしゃくとぅ」。
長音表記え日本語ねえし=長音は日本語同様に
母音使ゆしえましやいびいさ=母音を使うほうがよいですよ。

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