うちなあぐち日記

うちなあぐちえ 聴ち美らさ 語い美らさ 書ち美らさ

2012年07月

 近頃(ちかぐる)お、うちなあぐちしすぬコマーシャルぬ増(うわ)あち、ゐいりきさいびいん。
 やいびいしが、うったてぃ、面白(うむ)さ可笑(うか)さ作(ちゅく)やあに、人笑(ちゅわら)あすんでぃちがやいびいら、異風(いふう)なむぬんあいびいんやあさい。 

 下(しちゃ)あ、今日(ちゅう)ぬ朝、車歩かっちょおたるばす聴(ち)ちゃるまあがなぬ電話通信会社ぬコマーシャルどぅやいびいしが、面白(うむ)さる人にとぅてえ、面白さる筈(はじ)やびいしが、異風なあ思(うみ)ゆる人んかいや、異風なあやいびいさ。

「さあらない、さあらない、めんそおりよお」
うり、日本語んかい直訳しいねえ、
「さっさと、さっさと、お越しくださいませね」とぅか「さっさと、さっさと、いらっしゃいませね」んでぃちなゆる筈やいびいん。

「さあらない、来(く)うよお(さっさと来い)」とぅか「さあらない、しよお(さっさとやれ)」とぅかやれえ、済(し)まびいしが、敬語「めんそおれえ」とぅ組(ぐう)なち、使(ちか)ゆしえ、如何(ちゃあ)がやらんでぃ思(うみ)いんさびいん。あらんでえ、「ばんない、めんそおれえ(どしどし、お越しください)」とぅか。
 やいびいしが、初(はじ)みから、面白(うむ)さ可笑(うか)さ作ゆる積(ち)むええやれえ、うりんまた、「面白むん」やいやさびいしが…。

 我(わあ)がなあだ、五(いち)ち、六(むう)ちやたるばす、親(をぅや)ぬ言い遣(ちけ)えし、まんぐらぬ家庭(ちねえ)巡(みぐ)いしみらったる事(くとぅ)ぬあいびいしが、うんにいぬ事良(ゆう)覚(うび)いとおいびいん。何(ぬ)がんでえ、舌(しば)ん、噛(か)ん切(ち)ら、噛ん切らするあたい、難(むちか)さる案内(あんねえ)言葉(くとぅば)、叫(あ)びらさったくとぅやいびいん。
「今日や、我(わ)ったあや、まんさん祝(すうじ)やいびいくとぅ、早々(ふぇえべえ)とぅ、めんそおり」、んでぃち。

【語句】
近頃お、うちなあぐちしすぬ=最近は、うちなあぐちでする。「うちなあぐしちすぬ」の「すぬ」は、「する」という連体形を用いてもよいです。
コマーシャルぬ増あち、ゐいりきさいびいん=コマーシャルが増えて、楽しいです。非丁寧文は「~ゐいりきさん」
やいびいしが=ですが。非丁寧文は「やしが」。
うったてぃ、面白さ可笑さ作やあに=わざと、面白、可笑しく作って、
人笑あすんでぃちがやいびいら=人を笑わそうとしてなのか。非丁寧文は「~やら」。
異風なむぬんあいびいんやあさい=変なものもありますね「さい」は語尾に付く敬語。首里・那覇では女性は「たい」を使います。田舎語をヒントに推測すると「たい」は元々「さい」の丁寧な言い方で、御内原(江戸城でいう大奥に相当)や遊郭あたりで、「さい」に変化することなく使用され続けられてものと考えられます。私のシマでは明治生まれの女性もすべて男性と同じく「さい」を使っていましたが、ものすごく、丁寧な言い方をする場合のみ、「たい」さらにそれより上の丁寧な言い方である「たり」を使っていました。例「はいたり~」。後年、旧玉城村の人の話によれば、同じことを言っていました。(反論はコメントでどうぞ。再反論はできないかもしれませんが…)。 
下あ、今日ぬ朝=下は今日の朝
車歩かっちょおたるばす=車を運転していたとき、
聴ちゃるまあがなぬ電話通信会社ぬ=聴いた某電話通信会社の
コマーシャルどぅやいびいしが=コマーシャルなのですが。「どぅ」は前語を強調する助詞。通常、次にくる用言は通常は連体形で結びますが、ここで逆接文が続き、言い切りではありませんので、そのままにします。非丁寧文は「~どぅやしが」。
面白さる人にとぅてえ=面白い人にとっては、
面白さる筈やびいしが=面白いかもしれませんが。非丁寧文は「~筈やしが」。
異風なあ思ゆる人んかいや=変に思う人には
異風なあやいびいさ=変なのですよ。非丁寧文は「異風なあやさ」。
「さあらない、さあらない、めんそおりよお」=「さっさと、さっさと、おこしください」
うり、日本語んかい直訳しいねえ=それを日本語に直訳すれば、
「さっさと、さっさと、お越しくださいませね」とぅか「さっさと、さっさと、いらっしゃいませね」んでぃちなゆる筈やいびいん=略、などとなるはずです。非丁寧文は「~筈やん」。
「さあらない、来うよお(さっさと来い)」=略
「さあらない、しよお(さっさとやれ)」=略
とぅかやいびいれえ、済まびいしが=などでしたら、よいのですが。非丁寧文は「とぅかたれえ、済むしが」。
敬語「めんそおれえ」とぅ組なち=敬語「めんそおれえ」と組み合わせて
使ゆしえ、如何がやらんでぃ=使うのは、どうなのかと
思いんさびいん=思いもします。非丁寧文は「思いんすん」。「思いん」の「ん」は並列を表わす助詞日本語助詞「も」に対応する助詞。
あらんでえ、「ばんない、めんそおれえ」とぅか=そうでなければ、「ばんないめんそおれえ」とか。
やいびいしが=ですが。非丁寧文は「やしが」。
初みから、面白さ可笑さ作ゆる積むええやれえ=初めから、オモシロ可笑しく作るつもりなら
うりんまた、「面白むん」やいやさびいしが…=それもまた、「面白い」ものではありますが…。「やいやさびいしが」は単に「やいびいしが」でもよいですが、「であることはであるが」などの慣用的な言い回しで、良く使われます。非丁寧文は「~やしえやしが」。
我がなあだ=私がまだ
五ち、六ちやたるばす=五つ六つの頃
親ぬ言い遣えし=親のお使いで
まんぐらぬ家庭巡いしみらったる事ぬあいびいしが=近所への使い走りをさせられたことがありましたが。非丁寧文は「~あたしが」。
うんにいぬ事良う覚いとおいびいん=そのときの事をよく覚えています。
何がんでえ=なせかといえば、
舌ん、噛ん切ら、噛ん切らするあたい=舌も噛み切らんとするほどに。「噛ん切ら」などのように動詞の未然形を二回重ねることによって、強調というより、生き生きとした表現になります。例「歩っか歩っかそおん(あるこうとしている)」、「泣か泣かすん(泣くこうとする)」等。
難さる案内言葉=難しい案内言葉を
叫びらさったくとぅやいびいん=言わされたからです。「叫びゆん」は「叫ぶ」の意味ですが、単に「言う」や「呼ぶ」などの意味でも使います。勿論「言(ゆ)ん」、「呼(ゆ)ぶん」もあります。
今日や、我ったあや、まんさん祝やいびいくとぅ=今日は、我が家は、赤子の誕生祝いですので。「まんさん祝」は「七夜の祝い」。非丁寧文は「~祝やくとぅ」。
早々とぅ、めんそおり=早々とお越しください。
んでぃち=

 今日(ちゅう)や新暦(しん)ぬ七夕なとおいびいん。
 新暦ぬ七夕あ、うちなあんじぬ行事え、何(ぬう)ん無(ね)えやびらん。小学生(しょうぐぁくしい)ん達(ちゃあ)が、学校(ぐぁっこう)於(をぅ)とおてぃ、竹(だき)んかい、短冊付(ち)きてぃ、遊(あし)ぶるうっぷどぅやいびいる。
 やいびいしが、旧暦ぬ七夕んじえ、盆(しちぐぁち)んじ、家(やあ)ぬ仏壇(びちだん)までぃ、めんせえる如(ぐとぅ)、祖先(をぅやふじ)ぬ精霊迎(そうろうち)けえしいが、墓までぃ、行ちゅる習慣(なれえ)ぬあいびいん。我(わん)にん、元祖(ぐぁんす)持(む)ちやいびいくとぅ、精霊迎えさんでえないびらん。近頃(ちかぐる)お、元祖加那志んかいや、御無礼(ぐぶりい)やいやさびいしが、墓ぬ遠さる所(とぅくる)んかい、ある故(ゆい)に、いふぃえ、ふうゆうなあけえないびやあに、たんかあ取(とぅ)てぃ、御通(うとぅう)し、済(し)まる事(くとぅ)ぬ多(うふ)く、なとおいびいん。
 今度(くんどぅ)ぬ旧暦ぬ七夕んじえ、墓掃除(はかそうじ)ぬ手(てぃ)がねえさがちい、行ちゅる積(ち)むええそおいびいしが、天気(うわあちち)次第(しでえ)やいがすらん分かやびらん。

【語句】
今日や新暦ぬ七夕なとおいびいん=今日は、新暦の七夕です。非丁寧文は「~なとおん」。
新暦ぬ七夕あ=新暦の七夕は、
うちなあんじぬ行事え、何ん無えやびらん=沖縄での行事は何もありません。非丁寧文は「~無えらん」。
小学生ん達が、学校於とおてぃ=小学生たちが、学校で
竹んかい、短冊付きてぃ=竹に短冊を飾って、
遊ぶるうっぷどぅやいびいる=遊ぶことぐらいです。非丁寧文は「~どぅやる」。「どぅ」は前語を強調する助詞で、次にくる用言「やいびいん」は連体形「やいびいる」で結びます。
やいびいしが=ですが、
旧暦ぬ七夕んじえ、盆んじ=旧暦の七夕では、盆に
家ぬ仏壇までぃ、めんせえる如=家の仏壇まで、お越しくださるように
祖先ぬ精霊迎けえしいが=祖先の精霊を御迎えをしに
墓までぃ、行ちゅる習慣ぬあいびいん=墓まで行く習慣があります。非丁寧文は「~習慣ぬあん」。
我にん、元祖持ちやいびいくとぅ=私も仏壇持ちなので、
精霊迎えさんでえないびらん=精霊迎えをしなければなりません。非丁寧文は「~さんでえならん」。
近頃お、元祖加那志んかいや=最近は、元祖様には、
御無礼やいやさびいしが=失礼になるのですが。非丁寧文は「御無礼やしが」。
墓ぬ遠さる所んかい、ある故に=墓が遠いところにあることもあって、
いふぃえ、ふうゆうなあけえないびやあに=少し、なまけ者になってしまいまして。非丁寧文は「~けえなやあに」。「けえ」は「~してしまう」の意味の副詞。
たんかあ取てぃ=方角を取り、
御通し、済まる事ぬ多く、なとおいびいん=遥拝して済ませる事が多くなっています。非丁寧文は「~なとおん」。
今度ぬ旧暦ぬ七夕んじえ=今年の七夕においては、
墓掃除ぬ手がねえさがちい=お墓掃除のお手伝いをしながら、
行ちゅる積むええそおいびいしが=行くつもりではありますが。非丁寧文は「~そおしが」。
天気次第やいがすらん分かやびらん=天気次第かもしれません。非丁寧文は「~分からん」。

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