うちなあぐち日記

うちなあぐちえ 聴ち美らさ 語い美らさ 書ち美らさ

2012年06月

 かあま早(ふぇえ)くぬ話でえびる。
 ある日(ふぃい)ぬ朝、新聞ぬ広告んかい、「○○ミシン、8千円!電話一本で配達!」んでぃち、載(ぬ)とおいびいたん。うんにいや、ミシンんでえや、何万円(なんまんいん)ち、さびいたくとぅ、「何(ぬ)が、あんし値安(でえやし)むんやるんでぃ、思(うみ)やびやあに、朝、妻んかい、
「買(こ)うとうちゅしえ、ましえあらに。買うとおかな」
んでぃち、言ちから、会社んかい向(ん)かやびたん。
 あんし、会社から帰(け)えてぃから、妻んかい、
「朝ぬ広告ぬミシンや、買うたん?」
んでぃ、訊(ち)ちゃれえ、
「電話(でぃんわ)されえ、直(ちゃあき)、ミシンぬ配達しいが来(ち)ょおたしが、配達担当ぬ人(ちゅ)ぬ、『うぬ8千円ぬミシンや悪(や)なあどぅやくとぅ、なあふぃん上等買うゆしえましやいびんどお』んでぃち言(ゆ)たくとぅ、後(あとぅ)ぬうんじゅみ、15万円ぬミシン買うたん」
んでぃ、言ゃびいたるばあ。
 我(わん)ねえ、でえじな、癪出(しゃくん)じやあに、直、うぬ会社んかい電話さあに、ごおぐちひゃあぐち、ぬちふち、叫(あ)びたっくぁあさびたん。あんし、なあ明日(あちゃ)、うぬミシン返(けえ)ち、銭(じ)ぬん、取(とぅ)い戻(むどぅ)さびたん。
 世(ゆ)ぬ中(なあか)んかいや、あんし、異風(いふう)な商(あちねえ)する悪(や)な人(ちゅ)ん居(をぅ)るむんんでぃ、思(うむ)とおたしが、先(さち)ぬインチキミシンとぅ似ちょおる事すぬ政党(しいとう)んあるむぬやさやあんでぃ思やびたん。
 だあ、あんせえ、「政権交代(しいきんこうてえ)すんどお」んでぃち、言(い)ちょたるむぬ、とおなたれえ、前(めえ)ぬ政権党とぅ組(ぐう)けえなやあに、自(どぅう)ぬ公約おあらな、倒(とお)ちゃる筈(はじ)やたる政党ぬ政策どぅそおびいしえ。
 国民公約んかい「造反」そおる人ん達(ちゃあ)んかい、「国民ぬんかい『造反』やすな」んでぃ、言ちょおる人ん達んかい「造反者」んでぃ言ちょおる風儀やいびいしが、なあいふぃえ、日本語や、ちゃんとぅ、使(ちか)りんでぃ、言い欲(ぶ)さいびいん。

 なあ、悲劇がやら、喜劇がやら…。

【語句】
かあま早くぬ=ずっと以前の
話でえびる=話なのです。「話でいびいる」でも良いです。「話どぅやいびいる」の慣用化された言い方で、「どぅやい」が「でえ」に変化しました。例:「いい正月でえびる(あけましておめでとうございます、いいお正月でございます)」、「にふぇえでえびる(ありがとうございます)」。地方に行くと、二次話者には、ちんぷんかんの「あんらる」という言い回しがあります。意味は「あんどぅやる(そうなのである)」という意味です(笑)。非丁寧文は「話どぅやる」。
ある日ぬ朝、新聞ぬ広告んかい=ある日の朝、新聞の広告に、
○○ミシン、8千円!電話一本で配達!=○○ミシン、8千円、電話一本で配達
んでぃち、載とおいびいたん=載っていました。非丁寧文は「~載とおたん」。
うんにいや=当時は。あのときは、
ミシンんでえや=ミシンなどというのは、
何万円ち、さびいたくとぅ=何万円としましたので。非丁寧文は「~すたくとぅ」。
何が、あんし値安むんやるんでぃ=なんと、それほど、安いことかと
思やびやあに=思いまして。非丁寧文は「思やあに」、「思てぃ」、「思やあま」など。『沖縄語辞典』偏重の場合は、「思てぃ」以外の言い方はできないかもしれません。
朝、妻んかい=朝、妻に
買うとうちゅしえ=買っておいたほうが、
ましえあらに=よいではないのか。
買うとおかな=買っておこうかな。
んでぃち、言ちから=と、言ってから、
会社んかい向かやびたん=会社に向かいました。非丁寧文は「~向かたん」。
あんし、会社から帰えてぃから、妻んかい=そして、帰宅後、妻に、
朝ぬ広告ぬミシンや、買うたん?=朝の広告のミシンは買ったかい?。「買うたみ(買ったか)」、「買うたんなあ(買ったかね)」など、疑問文にしてもよいですが、普通文で尻上がりに言うと、日本語や英語のように、それだけで疑問を表わす文となります。沖縄語には4つの疑問助詞があり、それぞれ完璧に使い分けられていますが、まだ、慣れて無い人は、「尻上がり調」で言えば、「疑問文」になりますので、とりあえず、それを使う手もあります。
んでぃ、訊ちゃれえ=と、訊くと、
電話されえ、直=電話したら、直ぐに、
ミシンぬ配達しいが来ょおたしが=ミシンの配達しにきていたが、
配達担当ぬ人ぬ=配達担当の人が
うぬ8千円ぬミシンや悪なあどぅやくとぅ=その8千円のミシンは、粗悪なので、
なあふぃん上等買うゆしえましやいびんどお=もっと上等を買うのがよいではないですか。非丁寧文は「~ましやんどお」。
んでぃち言たくとぅ=と、言ったので
後ぬうんじゅみ=結局、
15万円ぬミシン買うたん=15万円のミシンを買った。
んでぃ、言ゃびいたるばあ=と、いうわけ。
我ねえ、でえじな、癪出じやあに=私は、大いに怒り。「癪出じてぃ」、「癪出じやあま」、「癪出じやあい」などの言い方もあります。
直、うぬ会社んかい電話さあに=直ぐにその会社に電話をいれ、
ごおぐちひゃあぐち、ぬちふち、叫びたっくぁあさびたん=文句たらたら、非難ごうごう、まくしたてました。非丁寧文は「叫びたっわあちゃん」。「叫びたっわあすん」は慣用的言い回しで、「叫びゆん」を強調します。直訳は「叫び加える」。ここでは「叫びやびたん」でもよいです。
あんし、なあ明日=そして、翌日。「なあ明日」は「翌日」。葬式用語(葬式の習慣)に「なあ明日見(あちゃみ)い」というのがありますが、墓に入れた翌日、様子を見に行くことを言います。翌日、墓の中から、墓石を叩く音がして、開けてみたら、生きていたという昔話からきた習慣です。
うぬミシン返ち、銭ぬん、取い戻さびたん=そのミシンを返し、お金も取り戻しました。非丁寧文は「~取い戻ちゃん」。
世ぬ中んかいや=世の中には、
あんし、異風な商する=そのように、奇妙(いやな)な商売をする
悪な人ん居るむんんでぃ=悪い人もいるものだと、
思とおいびいたしが=思っていましたが。非丁寧文は「思とおたしが」。
先ぬインチキミシンとぅ似ちょおる事=先述のインチキミシンと似たような事を
すぬ政党んあるむぬやさやあんでぃ思やびたん=する政党もあるものだなあと思いました。非丁寧文は「~思たん」。
だあ、あんせえ=だって。「だあ」は主には「どれ」という意味。「あんせえ」は主には「では」。両方では「だって」ぐらいに訳しましょう。
「政権交代すんどお」んでぃち=「政権交代するよ」と、
言ちょたるむぬ=言っていたのに、
とおなたれえ=いざとなってみれば、
前ぬ政権党とぅ組けえなやあに=前政権党と一緒になって、
自ぬ公約お、あらな=自らの公約ではなく、
倒ちゃる筈やたる政党ぬ政策どぅそおびいしえ=倒したはずの政党の政策を実行しているではないか。非丁寧文は「~そおしえ」。
国民公約んかい「造反」そおる人ん達んかい=国民公約に「造反」した人々に対して
国民ぬんかい「造反やすな」んでぃ=国民に対して「造反はするな」と、
言ちょおる人ん達んかい=言っている人々に対して、
「造反者」んでぃ言ちょおる風儀やいびいしが=「造反者」と言ってる様であるが。非丁寧文は「~風儀やしが」。
なあいふぃえ、日本語やちゃんとぅ使り=もう少し、日本語はちゃんと、使え、
んでぃ、言い欲さいびいん=と、言いたいのです。…
なあ、悲劇がやら、喜劇がやら=もう、悲劇なのか、喜劇なのか…

 今日(ちゅう)や慰霊(いりい)ぬ日(ふぃい)やいびいたん。
 今度(くんどぅ)お、ゆん月(じち)んかい当たとおいびいくとぅ、梅雨明きや、ちゃあがないらあんでぃ思(うむ)とおいびいたしが、ハーリー鉦(がに)ぬ鳴いねえ、梅雨ぬ明きゆんでぃる伝説(ちてえばなし)ぬ通(とぅう)い、今度(くんど)ん、ハーリー鉦ぬ鳴たる今日、梅雨明きそおいびいん。

 糸満(いとぅまん)ぬ平和記念公園(ひいわちにんこういん)ぬんかい、夕(ゆ)さんでぃまんぐるなてぃから行(い)じちゃあびたん。
 うぬ公園ぬ中んかいあぬ戦没者墓苑ぬんかいや、我(わあ)叔父(をぅざ)さあ四人(ゆったい)とぅ、義理(じり)ぬ伯母(をぅば)まあ一人(ちゅい)ぬ祭(まち)らっとおいびいん。本当や、祭らんでえならん従兄(いちく)ん一人居いびいしが、名(なあ)や刻まってえ居いびらん。
 墓苑ぬんかい、和菓子とぅ泡盛、水、さんぴん茶、花束うさぎてぃ、御香点(とぅぶ)ち、「幾世迄(いくゆまでぃ)ん、沖縄(うちなあ)ぬ平和、世界ぬ平和あらしたぼうり」んでぃ手合(てぃいう)あさびたん。

 反戦反基地ぬ意識ぬ高さあ、如何(ちゃ)ぬあたい、戦(いくさ)ぬばすんじ、さんざんな思(うみ)い、怖(うとぅる)さ思(うみ)い、哀(あわり)な思いしみらったがんでぃゆるとぅ比例さびいん。戦争ぬ哀れな体験や語い継(ち)じゅる事(くとぅ)る事にゆてぃ、直接体験せえ居(をぅ)らん子孫(くぁんまが)ん、遠(とぅう)さ離(はなり)とおる他所人(ゆすんちゅ)ん、普通の想像力ちょおんあれえ、まったち、同(い)ぬむぬおあらんてぃん、似ちょおる思いする事ぬないびいん。、

 世ぬ中んかいや、想像力ぬ足らあな、同ぬ肝(ちむ)ないゆさん人(ちゅ)ん、物覚(むぬうび)いぬ悪っさる人ん、また忘(わし)り早(べえ)さる人ん居(をぅ)いびいん。うりん、なあ銘々(めえめえ)ぬ性分とぅ自由どぅやいびいくとぅ、済(し)まびいん。

 やしが、にじらりやびらんしえ、沖縄於(をぅ)とおてぃぬ戦争ぬ記憶(うびい)ゆ、嘘(ゆくし)とぅか、無(ね)えらんたる事とぅか、戦争ぬ記億(うびい)ゆ消(ちゃ)あちい、弱(よう)みたい、ぬちふちさいし、歩っちゅる事んかい念入(にんい)てぃ、やっぱとおる勢力(ちゅんちゃあ)ぬ居る事やいびいん。

 近頃(ちかぐる)お、敗戦ぬ記憶とぅ原発事故ぬ記億とお似ちょおる所(とぅくる)ぬまんどおんでぃ思ゆる事ぬ多(うふ)くなてぃちょおいびいん。

【語句】
今日や慰霊ぬ日やいびいたん=今日は慰霊の日でした。非丁寧文は「~日やたん」。
今度お、ゆん月んかい当たとおいびいくとぅ=今年は、ゆん月にあたっていますので。非丁寧文は「~当たとおたくとぅ」。
梅雨明きや、ちゃあがないらあんでぃ=梅雨明けはどうなることかと。
思とおいびいたしが=思っていましたが。非丁寧文は「思とおたしが」。
ハーリー鉦ぬ鳴いねえ=ハーリー鉦が鳴れば、
梅雨ぬ明きゆんでぃる伝説ぬ通い=梅雨が明けるという伝説の通り、
今度ん、ハーリー鉦ぬ鳴たる今日=今年も、ハーリー鉦が鳴った今日、
梅雨明きそおいびいん=梅雨明けしました。非丁寧文は「梅雨明きそおん」。
糸満ぬ平和記念公園ぬんかい=糸満の平和記念公園に
夕さんでぃまんぐるなてしから行じちゃあびたん=夕方頃になって行ってきました。非丁寧文は「~行じちゃん」。
うぬ公園ぬ中んかいあぬ戦没者墓苑ぬんかいや=その公園にある戦没墓苑には、
我叔父さあ四人とぅ=叔父四名と、
義理ぬ伯母まあ一人ぬ祭らっとおいびいん=義理の伯母一人が祭られています。非丁寧文は「~祭らっとおん」。
本当や=本当は、
祭らんでえならん従兄ん一人居いびいしが=祭らねばあんらない従兄も一人いるのですが。非丁寧文は「~居しが」。
名や刻まってえ居いびらん=名前が刻まれていません。非丁寧文は「~居らん」。
墓苑ぬんかい、和菓子とぅ泡盛、水、さんぴん茶、花束=墓苑に、和菓子と泡盛、水、さんぴん茶、
うさぎてぃ、御香点ち=そなえて、御香を点して、
幾世迄ん、沖縄ぬ平和、世界ぬ平和あらしたぼうり=幾世迄も、沖縄が平和、世界平和でありますように。
んでぃ手合あさびたん=と、手を合わせました。
反戦反基地ぬ意識ぬ高さあ=反戦反基地意識の高さは、
如何ぬあたい=どれほど、
戦ぬばすんじ=戦争のさいに、
さんざんな思い、怖さ思い、哀りな思い=ひどい思い、怖い思い、辛い思いを
しみらったがんでぃゆるとぅ比例さびいん=させられたかに比例します。非丁寧文は「~比例すん」。
戦争ぬ哀れな体験や=戦争の辛い体験は
語い継じゅる事る事にゆてぃ=語り継ぐことによって、
直接体験せえ居らん子孫ん=直接体験をしてない子孫も、
遠さ離とおる他所人ん=遠く離れた人々も
普通ぬ想像力んちょおん、あれえ=普通の想像力さえあれば、
まったち同ぬ思いやあらんてぃん=全く同じ思いでなくても、
似ちょおる思い=近い体験を
する事ぬないびいん=することは可能です。非丁寧文は「~事ぬなゆん」。
世ぬ中んかいや=世の中には、
同ぬ肝ないゆさん人ん=同じ気持ちになれない人も
物覚いぬ悪っさる人ん=記憶力の悪い人も
また忘り早さる人ん居いびいん=そして、忘れっぽい人もいます。非丁寧文は「~居ん」。
うりん、なあ銘々ぬ性分とぅ自由どぅやいびいくとぅ=それの、それぞれの性分と自由なのであるから。非丁寧文は「~どぅやくとぅ」。「どぅ」は前語を強調する助詞。
済まびいん=よいでしょう。
やしが、にじらりやびらんしえ=しかし、我慢ができないのは、
沖縄於とおてぃぬ戦争ぬ記憶ゆ=沖縄での戦争体験の記億を。目的を表わす助詞「ゆ」は口語では殆ど用いませんが、ここでは文脈を混乱させないため用いました。
嘘とぅか、無えらんたる事とぅか=嘘であるとか、無かったことであるとか、
戦争ぬ記億ゆ消あちい、弱みたい、ぬちふちさいし=戦争の記億を消したり、薄めたり、批判したり、
歩っちゅる事んかい念入てぃ=することに。
「し歩っちゅん(して歩く)」の「歩っちゅん」は、補助動詞のさいたるもので、「歩く」という意味ではなく「する(do)」という意味です。良く使う慣用句ですので、覚えてしまいましょう。
念入りてぃ、やっぱとおる勢力ぬ居る事やいびいん=熱心に、励んでいる勢力がある事です。非丁寧文は「~事やん」。
近頃お、敗戦ぬ記憶とぅ原発事故ぬ記億とお=最近は、敗戦の記億と原発事故の記億とは、
似ちょおる所ぬまんどおんでぃ=似ている点が多いと
思ゆる事ぬ多くなてぃちょおいびいん=思うことが多くなってきています。非丁寧文は「~なてぃちょおん」。

 
 、

 今日(ちゅう)や夏至(かあちい)やいびいしが、昼(ふぃる)まんぐるから、雨(あみ)ぬちゃあ降(ふ)い、けえそおる為(たみ)なかい、今(なま)あ、空(すら)ん大黒(ううぐるう)なやあに、きっさ、夕さんでぃまんぐるねえしけえなとおいびいん。
 今日ぬ如(ぐとぅ)やれえ、例(たとぅ)い、一年(いちにん)んじ、一番日(ふぃい)ぬ長さらわん、積(ち)むええん無(ね)えやびらん。
 いふぃやてぃん、晴りやあに、太陽(でぃだ)ん、くぁんくぁん、照(てぃ)てぃとぅらしいねえ、ましやいびいたるむぬ。
 やいびいしが、近頃(ちかぐる)お、台風(ううかじ)一過んでぃしん、無(ね)えやびらな、台風ぬ去(は)ちん、悪(や)な雨小(あみぐぁあ)ぬ、だらだら降(ぶ)いさびいん。

 明後日(あさて)え、ハーリーぬ日なとおいびいん。
 昔(んかし)から、ハーリー鐘(がに)ぬ鳴いねえ、梅雨(小満芒種)ぬ明きゆんでぃぬ事(くとぅ)やいびいしが、さてぃ、今度(くんど)お、如何(ちゃあ)がないびいらあ…。

【語句】
今日や夏至やいびいしが=今日は夏至ですが。非丁寧文は「~夏至やしが」。
昼まんぐるから=昼あたりから
雨ぬちゃあ降い、けえそおる為なかい=雨が降り続けているために、
今あ、空ん大黒なやあに=今は、空も暗くなり。「なやあに」は「なてぃ」でもよいです。
きっさ、夕さんでぃまんぐるねえし、けえなとおいびいん=とっくに、夕方のようになってしまっています。「けえ」は「~しまう」の意味の副詞で、動詞などの前に付きます。非丁寧文は「~けえなとおん」。
今日ぬ如やれえ=今日みたいであれば、
例い、一年んじ=たとえ、一年で、
日ぬ一番、長さらわん=日が一番長くても、
積むええん無えやびらん=意味がありません。
いふぃやてぃん、晴りやあに=少しでも晴れて、
太陽ん、くぁんくぁん、照てぃとぅらしいねえ=太陽もかんかん照ってくれたら、
ましやいびいたるむぬ=よかっただろうに。非丁寧文は「ましやたるむぬ」。
やいびいしが=ですが。非丁寧文は「やしが」。
近頃お、台風一過んでぃしん=近頃は、台風一過というものも
無えやびらな=ありませんで。非丁寧文は「無えらな」。
台風ぬ去ちん=台風が去っても、
だらだらあ雨ぬ、降いさびびいん=だらだら雨が、降ったりします。。非丁寧文は「~降たいし、~降たいさあに」等。
明後日え、ハーリーぬ日なとおいびいん=明後日はハーリーの日です。非丁寧文は「~なとおん」。
昔から、ハーリー鐘ぬ鳴いねえ=昔から、ハーリー鐘が鳴れば。「ハーリー鐘」は「銅鑼」のようなもの。
梅雨(小満芒種)ぬ明きゆんでぃぬ事やいびいしが=梅雨が明けるとのことですが。非丁寧文は「~事やしが」。
さてぃ、今度お、如何がないびいらあ…=さて、今年はどうなるのでしょうか。非丁寧文は「如何がなゆら」、「如何がないら」。

 今度(くんど)お、ゆん月(じち)んかい当たとおいびいくとぅ、旧暦ぬ三月(さんぐぁち)え、二(た)けんあいびいたん。
 ゆん月んでぃ言(い)いねえ、いいくる、元祖事(がんすぐとぅ、元祖御迎え、仏壇仏具ぬ取い替えんでえ)する年(とぅし)んでぃ考えらっとおいびいしが、くぬまあどお、うぬ話題(はなし)やあいびらん。
ゆん月え、旧暦ぬ習慣(なれえ)どぅやいびいくとぅ、うりえ済(し)まびいしが、ハーリー迄(までぃ)ん、延(ぬ)び延びけえなあやに、待ちかんてぃ小(ぐぁあ)なとおいびいん。
 待ち待ちすしん、うりん又、済まびいん。やいびいしが、今度ぬハーリー(糸満ハーレー)や慰霊(いりい)ぬ日(ふぃい)とぅ同(い)ぬ日んかい当たとおる風儀(ふうじ)やいびいん。あっさびよお、なあ、忙(いちゅな)さる日ないぎさあやいびいさ。
 会社勤(くぁいしゃじ)みそおたるばすねえ、大概(てえげえ)や、まあんかいん、行(ん)じん、クーラーぬある所(とぅくる)んじぬ用事(ゆうじ)どぅやいびいたくとぅ、何(ぬう)ん難事業(なんじわざ)あ、あいびらんたしが、今(なま)あ、外(ふか)んじぬ用事んでぃいねえ、いいくる太陽(てぃだ)ぬ下(しちゃ)於(をぅ)とおてぃぬ催し物(むん)ぬる多(うふ)さくとぅ、二所(たとぅくる)なあんかい行(い)ちゅる事(くと)お、怖(う)じやびいん。
 
 当たり前(めえ)ぬ事、小旅行とぅか写真撮(ぬ)じいが、行ちゅるばすお、別(びち)やいびいくとぅ、ハーリーや写真撮影ぬ積むええし、行(ん)じん済まびいしが、慰霊ぬ日や、平和記念公園迄(までぃ)行(い)じゃあに、叔父(をぅざ)さあんかい、手合(てぃいう)あさんでえなびらん…。

【語句】
 今度お=今年は。「今度」は慣用的に「今年」の意味で用いられます。勿論、日本語の「今度」という意味にも。
ゆん月んかい当たとおいびいくとぅ=ゆん月に当たっていますので。非丁寧文は「~当たとおくとぅ」。
旧暦ぬ三月え、二けんあいびいたん=旧暦の三月は二回ありました。非丁寧文は「~二けんあたん」。
ゆん月んでぃ言いねえ=ゆん月と言えば、
いいくる=概ね、
元祖事(元祖御迎え、仏壇仏具ぬ取い替えんでえ)=元祖事(元祖御迎え、仏壇仏具の取替等)を。口語(話しことば)でが、目的を表わす助詞「ゆ(日本語の「を」に対応)」は省略されます。
する年んでぃ考えらっとおいびいしが=する年だと考えられていますが。非丁寧文は「~考えらっとおしが」。
くぬまあどお、うぬ話題やあいびらん=今回はその話題ではありません。非丁寧文は「~話題やあらん」。
ゆん月え、旧暦ぬ習慣どぅやいびいくとぅ=ゆん月(が設定されるの)は、旧暦の習慣ですので。非丁寧文は「~どぅやくとぅ」。「どぅ」は前語を強調する助詞。次にくる用言が終止形である場合は、通常は連体形で結びますが、ここでは接続態が続いているのでその法則は適応されません。
うりえ済まびいしが=その事(自体)は良いのですが。非丁寧文は「~済むしが」。
ハーリー迄ん、延び延びけえなあやに=ハーリー(行事)まで、延期になり
待ちかんてぃ小なとおいびいん=待ちかねています。非丁寧文は「~なとおん」。「小(ぐぁあ)」は基本的には何にでも付く語で、ここでは、気持ち的に「少々」「待ちかねる」を表わしています。使い方は注意が必要ですので、よほど自身がない場合は使わないほうが無難です。ここでも「小」を略しても構いません。「小」がどのような意味になるかは、概ね、文脈によりますが、例えば、「花小(はなぐぁあ)=ちいさな可愛い花」、「二才小(にいせえぐぁあ)=青二才奴」などと、真逆の意味なったりします。
待ち待ちすしん=待つのも。「待ち待ちすん」は「待つ心がはやっている状態」を表わします。慣用句として、覚えましょう。
うりん又、済まびいん=それもまた良いでしょう。非丁寧文は「~済むん」。
やいびいしが=ですが
今度ぬハーリーや=今年のハーリーは。「今度」については既述。
慰霊ぬ日とぅ同ぬ日んかい当たとおる風儀やいびいん=慰霊の日とかちあっているようです。非丁寧文は「風儀やん」。「風儀」は単に「風」「様子」などの意味です。
あっさびよお、なあ=ああ、もう。「あっさびよ」は最近は二次話者の間では、「あきさみよ」に統一されつつありますが、「あっさい」、「あっさみ」、「あっさば」、「あっき」、「あんまよお」、「はっさびよお」、「はっさみ」、「はっさみよお」、「いぎじゃみ」、「いぎじゃみゆうらい」など数え上げればきりがないほど、豊富にあります。「事実は小説より奇なり」という言葉がありますが、実際のちまたのうちなあぐちは、習ううちなあぐちより複雑怪奇であり、特定の教習所で習っただけで、ネイティブの話とスムーズな会話ができるわけではありません。厄介な事に、教える方も分かりすくするために単純化するきらいもありますので、三~四次話者世代あたりからは、英吾や戦後日本語のように単純化されるかもしれません。
忙さる日ないぎさあやいびいさ=忙しい日になりそうですよ。「さ」は感嘆詞。非丁寧文は「~ないぎさあやさ」。
会社勤みそおたるばすねえ=会社勤めしていたときは。「ばす」は「とき」や「頃」を表わします。「ばあ」ということもありますが、「ばあ」はどちらかと言えば「場合」。この二語は、文脈的にどちらを使っても言い場合は多いだけで、意味は前述のように異なります。また、「ばあ」には、既述の「ばあ」と同音異句で、「何やるばあが(どういう訳か)」、「行ちゅるばあてえ(行く訳さ)」などの用いられる「ばあ(訳)」もあります。「ねえ」は「には」。
大概や、まあんかいん、行じん=大体は、どこへ行っても、
クーラーぬある所んじぬ用事どぅやいびいたくとぅ=クーラーのある所での用事でしたので。「どぅ」は既述。非丁寧文は「~どぅやたくとぅ」。
何ん難事業あ、あいびらんたしが=何も疲れるような仕事ではありませんでしたが。非丁寧文は「~あらんたしが」。
今あ、外んじぬ用事んでぃいねえ=今は、外での用事といえば、
いいくる太陽ぬ下於とおてぃぬ=主には太陽の下での
催し物ぬる多さくとぅ=催し物が多いので。「催し物ぬる」の「る」は強調を表わす助詞「どぅ」の清音。「ぬどぅ」では語呂が悪いので「ぬる」になたったと思われます。
二所なあんかい行ちゅる事お=二箇所に(まで)行くことは。「なあ」は省略してもよいですが、あると、「までも」などと「行く場所の多さ」を心理的にやや強調する表現となります。
怖じやびいん=気分的に疲れます。直訳は「怖じます」。非丁寧文は「怖じゆん」。
当たり前ぬ事=当然ながら、
小旅行とぅか写真撮じいが=小旅行とか写真撮影しに
行ちゅるばすお=行くときは
別やいびいくとぅ=(話は)別ですので。非丁寧文は「別やくとぅ」。
ハーリーや写真撮影ぬ積むええし=ハーリーは写真撮影の積もりで、
行じん済まびいしが=行ってもよいですが。非丁寧文は「~済むしが」。
慰霊ぬ日や、平和記念公園迄行じゃあに=慰霊の日は、平和記念公園まで行き。「行じゃあに」は「行じ」、「行じゃあま」、「行じゃあい」などのバリエーションがあります。
叔父さあんかい=叔父に
手合あさんでえなびらん…=手を合わせなければなりません。非丁寧文は「手合あさんでえならん」。「手合あすん」は「手を合わせて祈る」の意味です。

 去(ん)じゃる5月25日ぬ琉球新報んかい載(ぬ)とおいびいたる記事(ちじ)ぬ話どぅやいびいる。
 記事え、「CTS闘争の安里さん描く じんぶん企画が映画」でぃぬむぬやいびいん。じんぶん企画代表ぬ輿石正主(すう)がCTS闘争ぬ事(くとぅ)ゆ映画(いいが)化せえる記事なとおいびいん。
 
 うぬCTS闘争んかい出(ん)じてぃ来(ちゅ)うる、安里清信主や、我(わあ)が中学生(ちゅうぐぁくしい)ぬばすぬ母校ぬ教頭先生(ちょうとうしんしい)やらりいたくとぅ、思(う)びらじに、うぬ記事諸(むる)読(ゆ)だるしいじやいびいん。彼(あ)ぬ人(ちゅ)が、定年さあに、先生辞(や)みてぃ後(あとぅ)から、CTS闘争(とうそう)そおんでぃぬ音(うとぅ)お、聞(ち)かりいとおいびいたしが、先生にちいてぃぬ細(くま)さる話や、分かやびらんたん。
 やいびいしが、安里先生ぬ話、知いねえ知るさく、でえじな立派な人やらりいたる事ぬ分かやびたん。

 CTS闘争んでぃ言いねえ、平安座島(ふぃんざじま)んかい石油基地(しちゆちち)造(ちゅく)ゆる事んかい反対する闘争なやあに、屋慶名部落が賛成派とぅ反対派ぬんかい分裂さあに、公民館ぬん二(た)あち、エイサーん二あちんかい分かりやびたん。屋慶名エイサーゆでえじな好(し)ちやたる我にん、悲(な)ちかさぬないびらんたん。
 余談(うわあばなはなし)やいびいしが、石垣白保(いしぐぁちすさぶ)んかい新空港造ゆる計画(くぬみ)ぬあるばすん、白保公民館ぬん分裂そおたる事とぅ、まあ似(に)いそおいびいん。権力んでぃしえ、うん如(ぐとぅ)うさあに、地域住民分裂しみてぃる治(うさ)みてぃ、自(どぅう)なあ達(たあ)ぬ考(かんげ)えとおる通(とぅう)い、物事(むぬぐとぅ)進(しし)みてぃ行ちゅるむぬやさんでぃ思(うみ)たるしいじやいびいん。

 CTS建設ぬばすぬ計画んかいや、原発建設ぬ計画迄(までぃ)んあたんでぃぬ事やいびいん。ただんちょおん、うんにいや、復帰運動ぬ万時んやい、「金武湾を守る会」はじみ、周いぬ反対ぬ強(ちゅう)さぬ、石油基地建設賛成派迄ん反対派けえなしいねえ、じゃふぇえやんでぃちが思(うま)あとおたらあ、原発建設計画迄え、しゆさな、頓挫なたるばすやいびいん。

 安里先生達ぬう陰(かじ)なかい、今(なま)ぬ沖縄(うちなあ)んかいや原発(ぎんぱち)え、無(ね)えやびらん。

【語句】
去じゃる5月25日ぬ=さった5月25日の
琉球新報んかい載とおいびいたる=琉球新報に載っていた 非丁寧文は「~載とおたる」。
記事ぬ話どぅやいびいる=記事ぬ話なのです。
記事え=記事は
「CTS闘争の安里さん描く じんぶん企画が映画」でぃぬむぬやいびいん=「CTS闘争の安里さんを描 じんぶん企画が映画」というものです。
じんぶん企画代表ぬ輿石正主が=じんぶん企画の輿石氏が
CTS闘争ぬ事ゆ映画化せえる記事なとおいびいん=CTS闘争の事を映画化した記事なのです。非丁寧文は「~記事なとおん」。
うぬCTS闘争んかい出じてぃ来うる=そのCTS闘争に登場する
安里清信主や、我が中学生ぬばすぬ母校ぬ=安里清信氏は私が中学生の頃の母校の
教頭先生やらりいたくとぅ=教頭先生でしたので 「やりいたん」は西語(いりいかたむにいい)では「やみせえたん」。非尊敬語は「~教頭先生やたくとう」。西語というのは、与活半島以西の言語で、主には那覇語系です。西語では死語化した言い回しが、まだ健在です。
思びらじに=思わず
うぬ記事諸読だるしいじやいびいん=その記事を全部読んだ次第です。非丁寧文は「~しいじやん」。
彼ぬ人が、定年さあに=かれが定年して
先生辞みてぃ後から=教職を退いてから、
CTS闘争そおんでぃぬ音を聞かりとおいびいたしが=CTS闘争をしているとの噂は聞こえていましたが 非丁寧文は「~聞かりとおたしが」。
先生にちいてぃぬ細さる話や=先生に関する詳細な話は
分かやびらんたん=分かりませんでした。非丁寧文は「分からんたん」。
やいびいしが=ですが
安里先生ぬ話、知いねえ知るさく=先生の話をしればしるほど
でえじな立派な人やらりいたる事ぬ分かやびたん=大変立派な人だったことが分かりました。非丁寧文は「~分かたん」。
CTS闘争んでぃ言いねえ=CTS闘争とは、
平安座島んかい石油基地造ゆる事んかい=平安座島に石油基地を建設することに
反対する闘争なやあに=反対する闘争であり
屋慶名が賛成派とぅ反対派ぬんかい分裂さあに=屋慶名部落が賛成派と反対派に分裂し
公民館ぬん二あちんかいなてぃ=公民館も二つになり
エイサーん二あちんかい分かりやびたん=エイサーも二つに分かれました。
屋慶名エイサーゆでえじな好ちやたる我にん=屋慶名エイサーがとても好きだった私も
悲ちかさぬないびらんたん=悲しい思いをしました。非丁寧文は「悲ちかさぬならんたん」。、石垣白保余談やいびいしが=余談ですが 非丁寧文は「余談やしが」。
石垣白保んかい新空港造ゆる計画ぬあるばすん=石垣白保に新空港造る計画がある際も
白保公民館ぬん分裂そおたる事とぅ=白保公民館が分裂していた事と
まあ似いそおいびいん=そっくりです。
権力んでぃしえ=権力というのは
うん如うさあに=そのようにして
地域住民同士(どおさあ)分裂しみてぃる治みてぃ=地域住民同士を分裂させて(こそ)支配し。「しみてぃる」の「る」は強調助詞「どぅ」の清音ですが、そのまま「どぅ」でもかまいません。
自なあ達ぬ考えとおる通い=自ら考えている通り
物事進みてぃ行ちゅるむぬやさんでぃ=物事を推進してゆくものだと
思たるしいじやいびいん=思った次第です。非丁寧文は「~しいじやん」。
CTS建設ぬばすぬ計画んかいや=CTSを建設する計画には
原発建設ぬ計画迄んあたんでぃぬ事やいびいん=原発建設の計画迄あったとのことです。非丁寧文は「事やん」。
ただんちょおん=ただでさえ
うんにいや、復帰運動ぬ万時んやい=そのころは、復帰運動の最中でもあり
「金武湾を守る会」はじみ=「金武湾を守る会」はじめ
周いぬ反対ぬ強さぬ=周辺の反対運動が強く
石油基地建設賛成派迄ん反対派けえなしいねえ=石油基地賛成派までものが反対派に回ったりすれば、
じゃふぇえやんでぃちが思あとおたらあ=大変なことになってしまうと考えられていたのか
原発建設計画迄え=原発建設計画までは
しゆさな、頓挫なたるばすやいびいん=推し進めることができず、頓挫することになったのです。非丁寧文は「~ばすやん」。 
安里先生達ぬう陰なかい=安里先生らのお陰で
今ぬ沖縄んかいや原発え無えやびらん=今の沖縄には原発がありません。

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