うちなあぐち日記

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2011年12月

 ぐすうよう、良(い)い正月(しょうぐぁち)でいびる。
 今年(くとぅし)え、実(じゅん)に、世果報年(ゆがふどぅし)なゆる如(ぐとぅ)、願(にが)やびら。

【語句】
ぐすうよう=皆様方、
良い正月でいびる=良いお正月です。「良い正月でいびる」は、ちょっと変でも、「あけましておめでとうございます」に対応する慣用句として用いられているのが現状です。「でいびる」は「~どぅやいびいる」の音韻変化したものです。厳密に言えば、沖縄語には、「おめでとう」に対応する語句がありません。その都度、その場に相応しい祝い言葉を言います。「目出度節」という民謡にある「めでたい」は借用語です。尤も、口語では、この借用語が、定着しつつありますが…。
 「どぅ」は前語を強調する助詞で、次にくる「やいびいんがは連体形で結ばれている文形となっています。都市部などでは、さらに、「でえびる」に変化しています。私は、ひそかに、日本語の「だ」や「である」は沖縄語の「どぅ+やいびいる」と関係あるのではないかと思っています。つまり、日本語の形容動詞とされる「だ」や「である」の「だ」や「で」に元々強調を表わす助詞を内包しているのではないかと…。考え過ぎでしょうか…。
今年え=今年は。口語では、「今年」は「くんどぅ(今度)」と言います。
実に=本当に、
世果報年=幸せな年に。
なゆる如=なるように。丁寧文だと、いかにも「ないびいる如なりますように)」となりそうですが、慣用的には、前者のままにし、文末を丁寧文(ここでは「願やびら」)にます。
願やびら=願います。日本語では終止形となりますが、願いや祈りの気持ちが込められている場合は、沖縄語では、未然形になります。例:「行きましょう」は「行ちゃびら」、「ご馳走になります」は「くぁっちいさびら」。


 

 ぐすうよう、一年(いち)が間(ゑえだ)、くぬブログんかい、めんそうち、うたびみそおち、いっぺえ、にふぇえでいびいたん。
 今年(くとぅし)え、東北大震災んでえんあやに、難儀苦事(なんじくんじ)ぬ多(うふ)さる年やいびいたん。
 ぐすうようぬ皆(んな)し、一日ん早(ふぇえ)く、元(むとぅ)ぬ暮らし方んかい戻(むどぅ)ゆる事(くとぅ)、願(にが)やびら。
 いい年(とぅし)、迎(んけ)えいみそおり。
 とお、あんせえ、また、来年(やあん)、行逢(いち)ぇえ拝(をぅが)なびら。

【語句】
ぐすうよう=皆様。「御衆よう」に字を当てる場合もありますが、適切がどうかは知りません。確かに、父やだんな方は、一般的には「すう」と呼称しています。私の父の世代は、互いに「○○すう」と呼び合っていました。「○○さん」「○○君」などの意味です。王様は、「首里天加那志(しゅいてぃんがなし、しゅいてぃんじゃなしい)」と呼称されていましたが「御主加那志前(うしゅがなしいめえ)」とも呼称されていました。ですから、私はこの「すう」を「主」と当て、「衆」という文字は当てません。
一年が間=一年もの間、
くぬブログんかい=このブログに。
めんそうち、うたびみそおち=おこしいただき。非尊敬語は「来(ち)、取(とぅ)らち」。
いっぺえ、にふぇえでいびいたん=大変。ありがとうございました。非丁寧文は「いっぺえ、にふぇえやたん」または「でえじな、かふうしやたん」。但し、この種の挨拶言葉は、丁寧語でするのが普通ですので、非丁寧文は殆ど使いませんので、念のため。
今年え=今年は、
東北大震災んでえんあやに=東北大震災などがあり、
難儀苦事ぬ多さる年やいびいたん=ご苦労の多い年でした。非丁寧文は「~年やたん」。
ぐすうようぬ皆し=皆様方で
一日ん早く=一日も早く、
元ぬ暮らし方んかい戻ゆる事=元の生活に戻れるよう、
願やびら=願いましょう。非丁寧文は「願らな」。
いい年、迎えいみそおり=良いお年をお迎えください。
とお、あんせえ、また=ではまた、
来年、行逢ぇえ拝なびら=お逢いいたしましょう。

 今日(ちゅう)やパールハーバー奇襲攻撃70周年ぬ日(ふぃい)成とおんでぃぬ事(くとぅ)やいびいん。
 何年前(なんにんめえ)がやたら、琉球新報んかい「真珠湾や真珠港ぬ誤訳」どぅやるんでぃそおる内容(ねえよう)ぬ投稿論壇(とぅうこうろんだん)ぬあいびいたしが、まあぬ誰(たあ)ん、うり、肝掛(ちむが)きゆる人(ちゅ)ん、居(をぅ)らんがあら、今(なま)ちきてぃ、「真珠湾」でぃぬ訳びけんがる使(ちか)あらっとおいびいる。
 論壇内容にちいてぃ、100%覚(うび)いとおる訳(わき)え、あいびらんしが、確か、誤訳んでぃ言(ゆ)しやか、実(じゅん)ねえ、「港(んとぅ)」どぅやるんでぃ分かやがなあ、攻撃規模まぎく見(み)しゆる為(たみ)なかい、うったてぃ、「湾」使たるむぬやんでぃち、言(い)ちょおみせえいびいたん。んちゃ、「与那原港」攻撃すんでぃしとぅ、「中城湾攻撃」すんでぃしとお、でえじな、違やびいるむぬやいびいん。
 日本(にふん)ぬ旧大本営(ちゅうでえふんええ)や、初(はじ)みから、強(ちゅう)ばあ振(ふう)なあさあに、自(どぅう)なあ達(たあ)ぬ存在まぎく見しらんでぃるそおいびいてえる。

註:歴史学者(りちしぐぁくしゃ)あ、表記(ひょうち)書ち直(のお)しいびちいやあいびらに?


【語句】
今日や=今日は、
パールハーバー奇襲攻撃70周年ぬ日成とおん=パールハーバー奇襲攻撃70周年の日にあたる。沖縄語では、よく「~である」を「~成とおん」と習慣的に使います。勿論、「70周年ぬ日やいびいん」でもよいです。私は文章語では後者の方を良く使用します。
でぃぬ事やいびいん=との事です。非丁寧文は「でぃぬ事やん」。
何年前がやいびいたら=何年前だったでしょうか。非丁寧文は「~がやたら」。
琉球新報んかい=琉球新報に
「真珠湾や真珠港ぬ誤訳」=「真珠湾や真珠港の誤訳」
どぅやるんでぃそおる=なのであるとする。「どぅ」は前語を強調する助詞で、次にくる用言「そおん(している、する)」は通常は連体形「そおる」で結びます。日本語では、文の完結さや語呂などを考慮して慣用的に終止形で文を作ることが多いですが、沖縄語では、少しでも意味的に進行形であれば、進行文を使う傾向にあります。もっとも、日本語の影響で、とくに文章語は日本語と同じく、終止形にする場合もあります。
内容ぬ投稿論壇ぬ=内容の論壇投稿が
あいびいたしが=ありましたが。非丁寧文は「あたしが」。
まあぬ誰ん=どこの誰も
うり、肝掛きゆる人ん=それを気にとめる人も、
居らんがあら=いないのか、
今ちきてぃ=今でも、いまだかって、
「真珠湾」でぃぬ訳びけんがる=「真珠湾」という訳だけが。「~がる」の「る」は強調を表わす助詞「どぅ」の清音。前語を強調する助詞で、次にくる用言は通常は連体形で結びます。
使あらっとおいびいる=使われています。連体形になっているのは、前文に強調助詞「る」を受けてのものです。非丁寧文は「使あらっとおる」。
論壇内容にちいてぃ=論壇内容について
100%覚いとおる訳え=100%覚えているわけでは、
あいびらんしが=ないのですが。非丁寧文は「~あらんしが」。
確か、誤訳んでぃ言しやか=確か、誤訳よいうより、
実ねえ=実際は、
「港」どぅやるんでぃ分かやがなあ=「港」なのであると知りながら、
攻撃規模まぎく見しゆる為なかい=攻撃規模を大きくみせるために、
うったてぃ=わざと、
「湾」使たるむぬやんでぃち=「湾」にしたとものだと、
言ちょおみせえいびいたん=おっしゃっていました。非目上文は「言ちょおたん」。
んちゃ=(ここでは)なるほど。
「与那原港」攻撃すんでぃしとぅ=「与那原港」を攻撃するというのと、
「中城湾攻撃」すんでぃしとお=「中城湾を攻撃」するというとでは、
でえじな、違やびいるむぬやいびいん=だいぶ、異なるものです。
日本ぬ旧大本営や=日本の旧大本営は、
初みから、強ばあ振なあさあに=最初から、強がり、
自なあ達ぬ存在=自らの存在を
まぎく見しらんでぃるそおいびいてえる=大きく見せかけようとしていたのだ。「見しらんでぃる」の「る」は強調助詞「どぅ」の清音で、文末は連体形「~てえる」で結びます。

 『詩集あかとんぼ』(大橋晴夫 編・著)第三版ぬ出版さりやびたん。
 くぬ詩集ぬちびらあさる所(とぅくる)お、大橋晴夫さんぬ原詩「あかとんぼ」ぬ詩ぬ東北はじみ、鹿児島弁迄(までぃ)、訳さっとおる事(くとぅ)やいびいん。
 う恥(は)じかさああいびいしが、我(わあ)うちなあぐちぬ訳ん載(ぬ)しらっとおいびいん。どぅく、恥じかさくとぅ、くぬブログぬ記事(ちじ)んかい書ちゅしん、うけえとおいびいたしが、何(ぬう)やわらん、原詩とぅなあシマジマぬ訳詩ぬちびらあさいびいくとぅ、書ちゅる事にさびたるしいじでえびる。
イメージ 1

 くま於(をぅ)とおてえ、なあシマジマぬ言葉(くとぅば)さあに、題名びけえ、紹介うんぬきらなんでぃ思(うむ)とおいびいん。
「あがだんぶり」(津軽弁鯵ケ沢、同中里、秋田弁男鹿弁、南部弁)
「あげだんぶり」(津軽弁金木、秋田弁能代)
「あがたんぶり」(津軽弁深浦)
「あがどんぼ」(津軽弁弘前)
「あがどんぶ」(秋田弁本荘由利)
「あがとんぼ」(秋田弁横手平鹿、山形弁置腸方言、同村山語、、会津弁、相馬弁、宮城弁白石、石巻語、岩手弁石鳥谷、下北弁)
「あっけ」(山形弁尾花沢)
「あがなんばんこ」(宮城弁白石)
「なんばあげず」(仙台弁)
「あげァあげづ」(ケセン語)
「あかとんぼ」(宮古弁)
「あが だんぶりっこ」(二戸のことば)
「あがだんぶりこ」(八戸弁)
「あかああけえずう」(沖縄)
「あかばい」(鹿児島弁)

【語句】
第三版ぬ出版さりやびたん=第三版が出版されました。非丁寧文は「~さったん」。
くぬ詩集ぬちびらあさる所お=この詩集の素晴らしいところは、
大橋晴夫さんぬ原詩「あかとんぼ」ぬ詩ぬ=大橋晴夫さんの原詩「あかとんぼ」の詩が
東北はじみ=東北はじめ、
鹿児島弁迄、訳さっとおる事やいびいん=鹿児島弁まで訳されていることです。非丁寧文は「事やん」。
う恥じかさああいびいしが=お恥ずかしいかぎりですが。非丁寧文は「~あしが」。
我うちなあぐちぬ訳ん=私の沖縄語訳も
載しらっとおいびいん=乗せられています。
どぅく、恥じかさくとぅ=あまりにも恥ずかしいので、
くぬブログぬ記事んかい書ちゅしん=このブログの記事に書くのも
うけえとおいびいたしが=遠慮していましたが。非丁寧文は「うけえとおたしが」。
何やわらん=ともあれ、
原詩とぅなあシマジマぬ訳詩ぬ=原詩と各地の訳詩が、
ちびらあさいびいくとぅ=素晴らしいので、
書ちゅる事にさびたるしいじでえびる=書くことにした次第です。非丁寧文は「~事にさるしいじどぅやる」。「~でえびる」は「~どぅやいびいる」が慣用的に約まった言い方です。「良(い)い正月(しょうぐぁち)でえびる」、「にふぇえでえびる」などがその例です。
くま於とおてえ=ここでは、
なあシマジマぬ言葉さあに=各地の言葉で、
題名びけえ=題名だけを
紹介うんぬきらなんでぃ=ご紹介いたそうかと。非丁寧文は「紹介さなんでぃ」。
思とおいびいん=思っています。非丁寧文は「思とおん」。
以下略。

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