うちなあぐち日記

うちなあぐちえ 聴ち美らさ 語い美らさ 書ち美らさ

2011年08月

 我(わあ)が、何(ぬ)が何(ぬう)んでぃち、うぬゆうな記事(ちじ)書ちぇえがんでぃ言いねえ、実(じち)え、『ジェノサイド』(註)んでぃゆる書物読(しむちゆ)でぃぬ話どぅやいびいる。
 
 うぬ書物(しむち)んかいや、モアイ像ぬ事(くとぅ)ん、イースター島ぬ事ん、書かってえ居(をぅ)らのおあいびいしが、我くるが、イースター島んじ、昔(んかし)起(う)きたる事んかい、思寄(うみゆ)ゆてぃ、書ちぇえるうっぴどぅやいびいる。
 
 当たい前(めえ)ぬ事、うぬ書物(しむち)、なあだ読でえねえらん人(ちゅ)ん達(ちゃあ)ぬ為(たみ)なかい、書物ぬ内容(みい)にちいてえ、書ちゃびらん。
 
 如何(ちゃ)ぬゆうな思想(かんげえ)持(む)ちょおる人やらわん、うぬ書物読みいねえ、人間(にんじん)ぬ「ショウ」「ジンブン」にちいてぃ、考えらさりいるむんとぅ成とおいびいん。

註:高野和明著、角川書店、第7版、2011年上半期ベストテン第一位)
ジェノサイド=「抹殺」んでしゆる意味(ちむええ)やしが、「大量虐殺」んでぃぬ意味とぅしん使(ちか)ありいん。同(い)ぬ種(さに)ぬ生物(いちむし)ゆ、いっそうから殺(くる)すしえ、いちゃっさきいなあある動物(いちむし)ぬ中(なあか)んじん、現生人類(ホモサピエンス)びけんどぅやるんでぃ言ゃっとおん。


【語句】
我が、何が何んでぃち=私が、何故。「何が何んでぃち」は「何(ぬう)んち」でもよいです。「なぜ、○○か」などという場合に使う慣用句として覚えてしまいましょう。
うぬゆうな記事書ちぇえがんでぃ言いねえ=そのような記事をかいたかと言えば。「書ちぇえが」は「書ちゃが」でもよいですが、前者の方がより適切です。ちなみに、前者は、完了保存文であり、後者は直接過去文です。
実え、『ジェノサイド』んでぃゆる書物読でぃぬ話どぅやいびいる=実は、『ジェノサイド』という本を読んでの話なのです。非丁寧文は「~話どぅやる」。「どぅ」は前語を強調する助詞で、次にくる「やいびいん」は通常は連体形「やいびいる」で結びます。
うぬ書物んかいや=その書物には、
モアイ像ぬ事ん、イースター島ぬ事ん=モアイ像のことも、イースター島のことも、
書かってえ居らのおあいびいしが=書かれてはいませんが。非丁寧文は「~居らのおあしが」。
我くるが=私自身が。「名詞+くる」で、「名詞自身」という意味になります。「なんくる成いさ」の「なんくる」は「自然に」という意味です。
イースター島んじ、昔起きたる事んかい=イースター島で昔起きたことに、
思寄ゆてぃ=連想して、考えが及び。
書ちぇえるうっぴどぅやいびいる=書いただけです。非丁寧文は「~どぅやる」。「どぅ」については既述。「書ちぇえる」についても既述。
当たい前ぬ事=当然ながら、
うぬ書物、なあだ読でえねえらん人ん達ぬ為なかい=この本をまだ読んでない人のために、
書物ぬ内容にちいてえ、書ちゃびらん=本の内容については書きません。非丁寧文は「~書かん」。
如何ぬゆうな思想持ちょおる人やらわん=どのような思想の持っていようとも、
うぬ書物読みいねえ=この本を読めば、
人間ぬ「ショウ」「ジンブン」にちいてぃ=人間の「性」、「知恵」について、
考えらさりいるむんとぅ成とおいびいん=考えさせられるものとなっています。非丁寧文は「~成とおん」。

 うん如(ぐと)おるイースター島ぬぬ歴史(りちし)見(ん)ち、今(なま)ぬ人(ちゅ)お、肝内(ちむうち)於(をぅ)とおてぃ、他所事(ゆすぐとぅ)ねえ、笑(わら)とおる人ん居(をぅ)る筈(はじ)やいびいん。 

 やいびいしが、今ぬ人ん、同(い)ぬ種(さに)ぬ現生人類(ホモサピエンス)どぅやいびいる。イースターん人とぅ根(にい)ぐいや、むさっとぅ変わやびらん。

 人(ちゅ)ぬ争(あらげ)え事(ぐとぅ)ぬ、一(ちゅ)けん、戦(いくさ)んでえんかい、けえ成いるむんどぅんやれえ、後(あと)お、意地勝負(いじすうぶ)けえ成やい、後々ぬ如何(ちゃあ)成らわん、誰(たあ)ん、先(さち)に止みらんでぃんさんないびいん。
 戦あ、勝っちん、負きてぃん、作用反作用ぬ法則なかい、両方(ろうほう)が、同(い)ぬ如(ぐとぅ)、損害(きが)さびいん。

 戦ぬ一番ぬ恐(うとぅ)るしむんや、人間(にんじん)ぬ脳(ちぶる)ぬ、戦争かいん、けえ順応(なり)ゆる事どぅやいびいる。あんないねえ、なあ、人(ちゅ)ん達(ちゃあ)や、けえ耄(ふ)りやびいん。

 むしか、人間やか知能(じんぶん)持(む)っちょおる超人類ぬ、人間同士(にんじんどおさあ)ぬ、うん如(ぐと)おるチキンレース見(ん)じいどぅんしえ、でえじな、哀りんやい、又可笑(うかあ)さん、ある(はじ)やいびいん。

【語句】
うん如おるイースター島ぬぬ歴史見ち=そのようなイースター島ぬ歴史をみて、
今ぬ人お、肝内於とおてぃ=現代人は心の中で、
他所事ねえ=よそ事のように、
笑とおる人ん居る筈やいびいん=笑っている人もいるでしょう。非丁寧文は「~居る筈やん」。
やいびいしが、今ぬ人ん=ですが、現代人も
同ぬ種ぬ現生人類どぅ成とおいびいる=同種の現生人類なのです。「現生人類どぅやいびいる」でも良いです。沖縄語は「~です」という言い方を「~成っています」という言い回し(表現)をするることが多いです。非丁寧文は「~どぅやる」。
イースターん人とぅ、根ぐいや=イースター人と根本的には、
むさっとぅ変わやびらん=全く変わりません。非丁寧文は「~変わらん」。
人ぬ争え事ぬ=人間の争い事が
一けん、戦んでえんかい=ひとたび、戦争に、
けえ成いるむんどぅんやれえ=発展してしまえば、
後お、意地勝負けえ成やい=後は意地の勝負となり、
後々ぬ如何成らわん=後がどうなろうが、
誰ん、先に止みらんでぃんさんないびいん=誰も先に手を引こうとしなくなります。非丁寧文は「~さんなゆん」。
戦あ、勝っちん、負きてぃん=戦争は勝っても負けても、
作用反作用ぬ法則なかい、両方が同ぬ如=作用反作用の法則で、両陣営ともに、
損害さびいん=損害を受けます。非丁寧文は「損害すん」
戦ぬ一番ぬ恐るしむんや=戦争の一番の恐怖は、
人間ぬ脳ぬ=人間の脳が
戦争かいん、けえ順応ゆる事どぅやいびいる=戦争に順応してしまうことです。非丁寧文は「~どぅやる」。
あんないねえ=そうなれば、
なあ、人ん達や、けえ耄りやびいん=もう、バカになってしまいます。非丁寧文は「~耄りゆん」。
むしか、人間やか優(すぐ)りとおる知能持っちょおる=もし、人間より優れた知能を持つ
超人類ぬ=超人類が、
人間同士ぬ=人間同士の
うん如おるチキンレース見じいどぅんしえ=そのようなチキンレースを見る事でもすれば。「見じいどぅんしえ」は、「見じいねえ(見れば)」でも良いが、ここでは「どぅん」(日本語では『でも』)が「見じい」を強調し、助詞「し」でそれ以前の語を名詞化しています。最後の「え」は格助詞。直訳すれば、「見るでもする事は」などと、語順が日本語と違うために意味不明の日本語となります。慣用句的に覚えてしまったほうが得策です。
でえじな、哀りんやい=大変、気の毒でもあり、
可笑さん、ある筈やいびいん=可笑しくもある筈です。

 東太平洋(あがりてえへえよう)んかい浮かどおるイースター島(チリ領)んかいモアイんでぃゆる像(ふとぅきい)ぬあいびいん。モアイ像や、長(なげ)さ、何(ぬう)ぬ為(たみ)ぬむんがやら、明かさらりやびらんたん。
 イースター島や、昔(んかし)え、森(むい)ん豊かなやい、でえじな栄(さけ)えてぃ、人(ちゅ)ん2万人ぐれえ居(をぅ)たるばすんあたんでぃぬ事やいびいしが、どぅく栄え強(じゅう)さぬ、部族同士(しまどぅうさあ)ぬ争(あら)があゆんねえ成やあに、うりまでぃ、シマぬ守(まむ)い神とぅさあに造(ちゅく)らっとおたるモアイ像ん、造い勝負(すうぶ)すんねえ成てぃちゃんでぃぬ事やいびいん。あんさびてぃ、石切場(いしあな)からモアイ像かやあする為ぬ木(きい)や、いっそうからけえ倒(とお)さってぃ、島中が不毛(はぎもう)けえ成たるばすやいびいん。
 風気(ふうち)ん流行(ふぇえ)てぃ、人口(ちゅ)ん200人ぐれえ迄(までぃ)、うすまさけえ減(ふぃ)なやあに、暮らし方ん石器時代んかい戻(むとぅ)とおる如(ぐとぅ)あたんでぃぬ事やいびいん。

 続(ちじ)ちゃびいん

【語句】
東太平洋んかい浮かどおるイースター島(チリ領)んかい=太平洋に浮かぶイースター島に、
モアイんでぃゆる像ぬあいびいん=モアイという像があります。非丁寧文は「~あん」。
モアイ像や=モアイ像は、
長さ、何ぬ為ぬむんがやら=長らく、何のためのものなのか、
明かさらりやびらんたん=謎でした。非丁寧文は「~さらんたん」。
イースター島や、昔え=イースター島は昔は、
森も豊なやい、でえじな栄えてぃ=森も豊かで、とても栄え、
人ん2万人ぐれえ居たるばすん=人間も2万人ほどいたときも
あたんでぃぬ事やいびいしが=あったとの事ですが。非丁寧文は「~事やしが」。
どぅく栄え強さぬ=あまりにも栄えすぎて、
部族同士ぬ争があゆんねえ成やあに=部族同士が争うようになり、
うりまでぃ=それまで、
シマぬ守い神とぅさあに造らっとおたる=部族の守り神として造られていた
モアイ像ん=モアイ像も、
造い勝負すんねえ成てぃちゃんでぃぬ事やいびいん=競って造るようになってきたとのことです。非丁寧文は「~事やん」。
あんさびてぃ、石切場から=そして、石切り場から
モアイ像かやあする為ぬ木や=モアイ像を運ぶための木々は、
いっそうからけえ倒さってぃ=片っ端から切り倒され、
島中が不毛けえ成たるばすやいびいん=島中が不毛になってしまったわけです。非丁寧文は「~ばすやん」。
風気ん流行てぃ=伝染病も流行り、
人口ん200人ぐれえ迄、うさまさ、けえ減なやあに=人口も200人ほどに激減してしまって。「うすまさ」は「とても、恐ろしいほどに」等。「けえ」は「~しまう」の意味の副詞で、動詞の前に付く。
暮らし方ん石器時代んかい=生活も石器時代に
戻とおる如あたんでぃぬ事やいびいん=戻ったかのようだったとのことです。非丁寧文は「~事やん」。
続ちゃびいん=続く

 甲子園(こうしいん)んじ、我っ達(たあ)故郷(シマ)ぬ糸満高校がけえ負きたれえ、がんどぅやびたん。
 朝起(う)きてから、ちゃあにじいそおたるコーヒー小、ふかち飲(ぬ)まんでぃされえ、粉(くう)ぬ無(ね)えやびらんたくとぅ、近くぬスーパーんかい、インスタントコーヒー粉買(こ)ういが、ミニバイク小(ぐぁあ)歩っかち、行(い)ちゃびたん。
 バイク停(とぅ)み所(どぅくる)んかい、黒光(くるびちゃ)いそおる新品(みいむん)ぬ三輪バイクぬ隣(とぅない)んかい、我(わあ)バイク停みやびたん。ヘルメット外(は)んち、足(ふぃさ)うちきゆる台(でえ)んかい、うりうちきらんでぃそおたるばす、新品バイクぬ主(ぬし)ぬスーパーから出(ん)じてぃ来(ち)ゃあびたん。年(とぅし)え、なあ70歳まんぐらがやみせえら。我面(わあちら)見(ん)じゃあ見じゃあさがちい、自一人物言い(どぅうちゅいむにい)そおる風儀んやいびいたん。やいびいしが、一人物言いやあいびらんたん。
「兄さん、うんじゅがバイクお、歩っかし易っさんなあ」
 あいなあ、うちなあぐちやるむんんでぃち、我ねえ、思(うむ)やあい、直(ちゃあ)き、いれえやびたん。
「うう、いふぇえ、古(ふる)どおいびいしが、歩っかし易っさいびいんどお」
「我むのおよお、くぬ前(めえ)、買うてぃ直きどぅやしが、ハンドルぬ固(くふぁ)さぬ、扱(あち)けえ難(ぐり)さるばあよお」
「我が見ちぇえ、あいゆかん、上等やいぎさしがやあ」
「30万余いたんしがる、悪(や)なあどぅやっさあ」
 あんし、うぬ人(ちゅ)お、ヘルメット被(か)んたれえ、自ぬバイクんかい、ぐんだんさがなあ、エンジンかきやあに、ブールない去(は)やびたん。
 我(わん)ねえ、兄弟(ちょうでえ)、親戚(ゑえか)、生(ん)まり故郷人(しまんちゅ)とお、100%、うちなあぐちなかいどぅ、話さびいしが、初(はじ)みてぃ、行逢(いちゃ)たる他所(ゆす)ん人(ちゅ)とぅ、うちなあぐちなかい、話さしえ、大概4年越し(ぐ)しいやあらんがあらんでぃ思(うみ)やびいん。うぬあたい、沖縄人(うちなあんちゅ)お、うちなあぐち使あらんなとおいびいん。
 
【語句】
甲子園んじ=甲子園で、
我っ達故郷ぬ糸満高校が=わが故郷の糸満高校が
けえ負きたれえ、がんどぅやびたん=負けてしまったので、がっかりしました。非丁寧文は「~がんどぅたん」。
朝起きてから=朝起きてから、
ちゃあにじいそおたる=ずっとかまんしていた
コーヒー小、ふかち飲まんでぃされえ=コーヒーを沸かして飲もうとしたら。「小」は、この場合は愛称を込めて言っています。
粉ぬ無えやびらんたくとぅ=粉が無かったのですので。非丁寧文は「~無えらんたくとぅ」。
近くぬスーパーんかい=近くのスーパーに、
インスタントコーヒー粉買ういが=インスタントコーヒー粉を買いに、
ミニバイク小歩っかち=ミニバイクに乗って、ミニバイクを運転して(歩かして)、
行ちゃびたん=行きました。非丁寧文は「行(ん)じゃん」。
バイク停み所んかい=駐輪場に
黒光いそおる新品ぬ=黒光りしている新品の
三輪バイクぬ隣んかい=三輪バイクの隣に、
我バイク停みやびたん=私のバイクを停めました。非丁寧文は「停みたん」。
ヘルメット外んち=ヘルメットを取り、
足うちきゆる台んかい=足を乗せる台に
うりうちきらんでぃそおたるばす=それを置こうとしていとき、
新品バイクぬ主ぬ=新品バイクの主が
スーパーから出じてぃ来ゃあびたん=スーパーから出てきました。非丁寧文は「~来ゃん」。
年え=年は、
なあ70歳まんぐらがやみせえら=もう、70歳前後なのでしょうか。非敬語は「~70歳まんぐらがやら」。
我面見じゃあ見じゃあさがちい=私の顔を窺いながら、
自一人物言いそおる風儀んやいびいたん=独り言をしている風でもありました。非丁寧文は「~やたん」

やいびいしが=ですが、
一人物言いやあいびらんたん=独り言ではありませんでした。非丁寧文は「~あらんたん」。
兄さん、うんじゅがバイクお=兄さん、おたくのバイクは、
歩っかし易っさんなあ=運転しやすいかね。車やバイクは「運転すん」とも言いますが、土着語では、「歩っかすん(歩かす)」を多くつかういます。
あいなあ=おやまあ、
うちなあぐちやるむんんでぃち=沖縄語ではないかと、
我ねえ、思やあい=私は思い、
直き、いれえやびたん=直ぐに返事をしました。非丁寧文は「いれえたん」。
うう、いふぇえ=はい、少しは。「うう」は目上に対する場合の返事「はい」。同級に対しては「いい」や「おお」などを使います。
古どおいびいしが=古くなっていますが。非丁寧文は「~古どおしが」。
歩っかし易っさいびいんどお=運転しやすいですよ。非丁寧文は「~易っさんどお」。
我むのおよお=私のはね
くぬ前、買うてぃ直きどぅやしが=この前、買ったばかりだけど。「どぅ」は前語を強調する助詞。
ハンドルぬ固さぬ=ハンドルが固くて、
扱けえ難さるばあよお=扱いにくいわけよ。
我が見ちぇえ=私が見たかぎりでは、
あいゆかん=とても、
上等やいぎさしがやあ=上等のようですけね。
30万余いたんしがる=30万(円)余りもしよったのに、
悪なあどぅやっさあ=ダメなんだよ。「どぅ」は前語を強調する助詞。
あんし、うぬ人お=そして、その人は、
ヘルメット被んたれえ=ヘルメットを被ると、
自ぬバイクんかい=自分のバイクに乗り、
ぐんだんさがなあ=愚痴をいいながら、
エンジンかきやあに=エンジンをかけ
ブールない去やびたん=さっと、去っていきました。非丁寧文は「~去いたん」。
我ねえ、兄弟、親戚、生(ん)まり故郷人とお=私は兄弟、親戚、生まれ故郷人とは。(現住みかである糸満人とは日本語を使います。)
100%、うちなあぐちなかいどぅ=100%沖縄語でしか。「どぅ」は前語を強調する助詞で、ここでは「~しか」と訳しました。
話さびいしが=話するのですが。非丁寧文は「話すしが」。
初みてぃ、行逢たる他所ん人とぅ=初めて会った他人と
うちなあぐちなかい、話さしえ=沖縄語で話したのは、
大概4年越ししいや=大方四年ぶりでは
あらんがあらんでぃ思やびいん=ないかと思います。非丁寧文は「~思ゆん」。
うぬあたい=それほど、
沖縄人お=沖縄人は、
うちなあぐち使あらんなとおいびいん=沖縄語を使わなくなっているのです。非丁寧文は「~使あらんなとおん」。

註:私の世代の場合の多くは今でも身内とは沖縄語、他人とは日本語という風に使い分けていますが、概ね復帰後は、殆どの沖縄人が身内、他人に関係なく日本語を使うようになっています。

 台風(ううかじ)9号ぬ、今(なま)さら万事(ばんじ)、来(ち)ょおいぎさいびいん。
 今ぬまあどお、停電(てぃいでぃん)や、しえ居(をぅ)らいびらんくとぅ、TV見(ん)ちゃい、情報(じょうほう)ん見(ん)だりやびいいん。うりかあや、くぬ前(めえ)ぬ台風やかやましやいびいん。

 やいびいしが、沖縄本島(うちなあふんとう)や、夕(ゆ)びから、暴風域(ぼうふういち)んかい、入(い)っち、今どぅ最接近やんでぃぬ事(くとぅ)やいびいくとぅ、暴風域から出(ん)じゆしえ、明日(あちゃ)んでぃぬ事やいびいん。何時(いち)が停電ないらあん分かやびらんくとぅ、パソコン使(ちか)ゆしん、たんきらんでえないびらん。厄介(やっけえ)やいびいさ。

 台風んでしえ、音聞(うとぅち)ちん、恐(うとぅる)しむぬんやい、又、面白(うむしる)むぬんやいびいさ。
 電線や高音ぬ合唱し、塀そおなむんぬ通(とぅう)ゆる音がやら、低音し、ゴウないゴウないし、隙間風(ああき風、ええざ風、たばさ風、たなか風、まどぅ風)や、指吹(いいびふ)ちょおる如(ぐとぅ)どぅあいびいる。木(きい)ぬ枝葉(ゆだふぁ)ぬワサワサあし、あまじちかあすぬ音とぅか戸(はしる)んでえがガタないすぬ音ん混んち、実(じゅん)に、狂想曲ぬ如とおいびいん。 

 パソコン使かいちいなあ、停電成いねえ、基盤(ちばん)ぬ、弱(よう)みらりいやびいくとぅ、早(ふぇえ)く、くぬブログ書ちゅしん、とぅずみらんでえないびらん。

とおあんせえ、なあ、御無礼(ぐぶりい)さびら。

【語句】
台風9号ぬ=台風9号が、
今さら万事=今まさに、
来ょおいぎさいびいん=襲来中です。非丁寧文は「来ょおいぎさん」。
今ぬまあどお=今度の場合は
停電や、しえ居らいびらんくとぅ=停電はしてないから、
TV見ちゃい、情報ん見だりやびいん=TVを見たり、情報も見れます。非丁寧文は「~見だりいん」。
うりかあや=そうしたところは。
くぬ前ぬ台風やかや、ましやいびいん=この前の台風よりは、ましです。非丁寧文は「~ましやん」。「ましやん」は、日本語の「ましだ」という意味に加え、「好きだ」という意味もあります。
やいびいしが=ですが、
沖縄本島や=沖縄本島は、
夕びから=夕べから、
暴風域んかい、入っち=暴風域に入り、
今どぅ最接近やんでぃぬ事やいびいくとぅ=今が最接近だとのことですので。非丁寧文は「~事やくとぅ」。「どぅ」は前語を強調する助詞。
暴風域から出じゆしえ=暴風域から抜けるのは、
明日んでぃぬ事やいびいん=明日とのことです。非丁寧文は「~事やん」。
何時が停電ないらあん分かやびらんくとぅ=何時停電になるかも知れないですので。非丁寧文は「~分からんくとぅ」。
パソコン使ゆしん=パソコンを使うのも、
たんきらんでえないびらん=控えないといけません。非丁寧文は「~でえならん」。
厄介やいびいさ=厄介ですよ。非丁寧文は「厄介やん」。
台風んでしえ=台風というのは、
音聞ちん=音を聞いても、
恐しむぬんやい=恐ろしいものであり、
又、面白むぬんやいびいさ=また、面白いものでもありますよ。
電線や高音ぬ合唱し=電線は高音で合唱し、
塀そおなむん通ゆる音がやら=塀のようなものを抜ける音なのか。
低音し、ゴウないゴウないし=低音で轟々轟々として、
隙間風(ああき風、ええざ風、たばさ風、たなか風、まどぅ風)や=隙間風は。()内は何れも隙間を表わす語。「ああき」は「割れ目」、「ええざ」は「物と物の間」、「たばさ」も隙間、「たなか」は広い隙間、「まどぅ」は「開いている間」のことで、時間の表現にも用いられる(=合間、暇など)。但し、これらの「間の間隔」は相対的で主観的な要素もありますので、状況次第で、用いる語が変わることもあります。
指吹ちょおる如どぅあいびいる=指笛のようです。非丁寧文は「~ある」。「どぅ」は前語を強調する助詞で、次にくる用言「やいびる」は連体形で結びます。
木ぬ枝葉ぬワサワサあし、あまじちかあすぬ音とぅか=木の枝葉がザワザワと揺れ動く音や、
戸んでえが=戸などが、
ガタないすぬ音ん混んち=ガタガタする音が混じり、
実に、狂想曲ぬ如とおいびいん=実に狂想曲のようです。非丁寧文は「~如とおん」。 
パソコン使かいがちいなあ=パソコンを使いながら。「使やがなあ」とも言います。
停電成いねえ=停電になれば、
基盤ぬ、弱みらりいやびいくとぅ=基盤が弱められますので。「非丁寧文は「~弱みらりいくとぅ」。
早く=早く、
くぬブログ書ちゅしん=このブログを書くのも、
とぅずみらんでえないびらん=終わりにしなければなりません。非丁寧文は「とぅずみらんでえならん」。
とおあんせえ=では。直訳だと、「さあ、それなら(ば)」。沖縄語には「さようなら」という言葉は無いと、言われますが、「さようなら(さよなら)」だって、厳密な意味での「別れの挨拶」という意味の語ではありません。沖縄語と同じく「そうであるなら」という意味から変化してきた言葉です。英吾の「goodbye」も、「神とともに(神の側で)」から来た言葉です。「バイバイ」は「(神の)「横々(共々)」の意味でしかありません。北京語の「再見」も文字通りの言葉です。むしろ、沖縄語には「別れの挨拶言葉」はむしろ豊富ぬあります。「とおあんせえ(やあ)」、「また明日(あちゃ)やあ」、「また、行逢(いち)え拝(をぅが)なびら」、「またやあ」、「かなっとかりよお(お元気で)」等々。卑下する必要などありません。
なあ、御無礼さびら=もう、失礼いたします。

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