うちなあぐち日記

うちなあぐちえ 聴ち美らさ 語い美らさ 書ち美らさ

2011年07月

 くねえだ、友小(どぅしぐぁあ)から、電話(でぃんわ)ぬかかてぃ来(ち)ゃあびたん。
 
「んじ、今、居酒屋ナンダガ、『流れ星』ニハ、うちなあぐちデ何ト言ウかトイウ事デ、盛リ上ガッテイルンダガ、何ト言イマシタカネ」
 んでぃち、問(とぅう)らりやびたん。
 たでえまぬ事(くとぅ)なやあに、我(わ)んにん、直(し)ぐねえ、思(うみ)い付(ち)ちゃびらんたん。
「んちゃ、何(ぬう)でぃが言(ゆ)たらあやあ」
 やいびいしが、大学時代ぬ夏休みんじ、友(どぅし)三人(みっちゃい)とぅ共(とぅむ)に、今帰仁(なじちん)ぬ浜於(をぅ)とおてぃ、キャンプそおたるばす、いちゃっさきいなあぬ「流れ星」見(ん)ち、一番上(ゐ)ぬ先輩(しいざ)ぬ
「ありえ、『星(ふし)ぬ家移(やあうち)い』んでぃる言んどお」
んでぃ、聞(ち)かっさたる事思(うび)い出(ん)じゃさびたん。
 今(なま)、考(かんげ)いねえ、何たらぬ流星群がやたらん分かやびらん。
 
 あんさびてぃ、我ねえ、うぬ電話ぬ主(ぬうし)んかい、
「あぬよお、思い出じゃちゃさ。確かよお、『星ぬ家移い』んでぃる言たっさあ。ん、間違(まち)え無(ね)えらん」
「『星ぬ家移い』んでえ、『星ノ引越シ』ぬ積むええなあ」
「あんやるばあてえ」

註:うちなあかんぷう=日本ぬ髷や、髪束(からじたば)てぃ、あんし前(めえ)んかい曲ぎやあに、布(ぬぬ)んでえさあに縊(く)んち、結うゆるむぬやしが、うちなあかんぷうや、ジーファーんでぃ言ぬむんさあに結うゆん。ジーファー使(ちか)とおるとぅくるが、特(か)わとおるとぅくるやん。
 
【語句】
くねえだ=このあいだ、
友小から、電話ぬかかてぃ来ゃあびたん=友から電話がかかってきました。非丁寧文は「~来ゃん」。「友小」の「小」は親しい場合に付けます。
んじ=呼びかける場合の語。「あのう」「あのさ」「ねえ」等。日本語に訳せない場合もあります。
んでぃち、問らりやびたん=と、問われました。非丁寧文は「~問うらったん」。
たでえまぬ事なやあに=急なことで、
我んにん、直ぐねえ=私も直ぐには
思い付ちゃびらんたん=思いつきませんでした。非丁寧文は「思い付かんたん」。
んちゃ=ここでは「あ、そうだ」の意味。文面によっては「なるほど」の意味もあります。
何でぃが言たらあやあ=何と言ったのだろうかな。
やいびいしが=ですけど、
大学時代ぬ夏休みんじ=大学時代の夏休みに
友三人とぅ共に=友だち三人とともに、
今帰仁ぬ浜於とおてぃ=今帰仁の浜辺で、
キャンプそおたるばす=キャンプをしていたとき、
いちゃっさきいなあぬ=とてもたくさんの。「いちゃっさきいなあ」は単に「ちゃっさきい」でもよいです。
「流れ星」見=流れ星を見て、
一番上ぬ先輩ぬ=大先輩が
ありえ=あれは、
星ぬ家移い=星の引越し
んでぃる言んどお=と言うんだぜ。
んでぃ、聞かっさたる事=と、聞かされた事を
思い出じゃさびたん=思い出しました。非丁寧文は「思い出じゃちゃん」。非丁寧文は「~出じゃちゃん」。
今、考いねえ=今考えると、
何たらぬ流星群がやら=何とかの流星群だったのかも
分かやびらん=知れません。非丁寧文は「分からん」。
あんさびてぃ=それで。非丁寧文は「あんさあに」。
我ねえ、うぬ電話ぬ主んかい=私はその電話の主に、
あぬよお=あのさあ、
思い出じゃちゃさ=思い出したよ。
確かよお=確かにさ、
『星ぬ家移い』んでぃる=『星の引越し』と。「でぃる」の「る」は強調助詞「どぅ」の清音。前語を強調する助詞で、次にくる用言は通常は連体形で結が、用言「言う」に感嘆詞が付いているため、感嘆詞優先で、連体形で結ばなくてもよいです。
言たっさあ=言いよったな。間接過去表現になっています。
ん、間違え無えらん=そう、間違いない。
『星ぬ家移い』んでえ=『星ぬ家移い』とは、
『星ノ引越シ』ぬ積むええなあ=『星の引越し』の意味なのかね。
あんやるばあてえ=そうであるわけさ。

 昨日(ちぬう)ぬ新報ぬオピニンコーナーんかい、「グァンクーターリー」んでぃゆる投稿記事ぬあいびいたん。
 「クァンクーターリー」んでぃしえ、「頑固親父」んでぃ言る意味やいびいん。
 うぬコーナーんかいや、昭和30年代まんぐる、うるま市照間(てぃるま)んかい、「カンプーに琉装の翁媼が健在だった」んでぃち書かっとおいびいん。
 確かに、我(わあ)が小学校生(しょうぐぁっこうしい)やたるばす、照間んや、うぬ記事ぬ人らあさる人ぬめんせえびいたん。うんにいや、いいくる友(どぅし)ん達(ちゃあ)とぅ、まじゅん、あまくまぬ部落(シマ)んかい遊びいが行(ん)じゃるむぬやいびいたしが、うぬかんぷう主(すう)や、音うっちょおいびいたん。
 やしが、頑固(ぐぁんく)うや、うぬ人びけんやあいびらんたん。うんにいぬ年寄(とぅす)い婆前(はあめえ)たあや、諸(むる)かんぷう結(ゆ)うてぃ、衣(ち)ぬん、うちなあすがいどぅそおいびいたる。我っ達あんまあん、婆前(はあめえ)ん、頭ぬ頂(ちじ)から、足(ふぃさ)ぬ指(いいび)迄、全(まった)ち、うちなあすがいそおる時期(ばす)ぬあいびいたん。
 戦時中、米軍なかい壕(がま)ぬ中(なあか)から出(ん)じゃさりいる沖縄人(うちなあんちゅ)ぬ映像ん見(ん)ちん、うちなあ衣(じん)着(ち)ちょおる人ぬ、まどおる事ぬ分かやびいん。
 また、明治ぬ初(はじ)み頃(ぐる)んじ、禁(ち)じらったる女(ゐなぐ)ぬ針突(はじちい)ん、我が小学校時分迄え、婆前(はあめえ、ぱあぱあ)達ぬ手(てぃい)んかいや、諸うりぬあいびいたん。明治中ら生(ん)まりぬ我ったあ、婆前(はあめえ)ん、針突いやそおいびいたん。
 うん如(ぐと)うし、沖縄人や大概頑固うやみせえいびいたん。今ん、あんやいびいしが…。

【語句】
昨日ぬ新報ぬオピニンコーナーんかい=昨日の新報のオピニオンコーナーに、
グァンクーターリー=頑固親父。「たありい」は主には士族のおける「父」をいい、庶民は「すう」と言います。
んでぃゆる投稿記事ぬあいびいたん=という投稿記事がありました。非丁寧文は「~あたん」。
「クァンクーターリー」んでぃしえ=「グァンクーターリー」というのは、
「頑固親父」んでぃ言る意味やいびいん=「頑固親父」という意味です。非丁寧文は「~やん」。
うぬコーナーんかいや=そのコーナーには、
昭和30年代まんぐる=昭和30年代の頃、
うるま市照間んかい=うるま市照間に
んでぃち書かっとおいびいん=と書かれています。非丁寧文は「~書かっとおん」。
確かに、我が小学校生やたるばす=確かに私が小学生だった頃。「我(わあ、わん)」は、係助詞が「や」の場合は「わん」となり、所有を表わす場合や「が」が来る場合は「わあ」となります。例:「我物(わあむん)」。
照間んかいや=照間には。照間は、旧与勝半島の中でも、最も首里語に近い言葉を話す地域で、昔から「按司言葉(貴族語)」と呼ばれていました。近辺の旧勝連町南風原や旧与那城町西原も与勝語ではなく、首里や那覇語に近い言葉を使用しています。これらは阿麻和利時代までは、城下町でした。
うぬ記事ぬ人らあさる人ぬせえびいたん=その記事の人らしき人が居られました。非丁寧文は「~めんせえたん」。非尊敬語は「~居たん」。
うんにいや=その頃は、
いいくる友ん達とぅ、まじゅん=よく友だちと一緒に、
あまくまぬ部落んかい=あちらこちらの部落に。「シマ」は、日本語の「島」の意味のありますが、「生まれ故郷」という意味や集落という意味でもあります。
遊びいが行じゃるむぬやいびいたしが=遊びに行ったものですが。非丁寧文は「~やしが」。
うぬかんぷう主や=その髷の親父は、
音うっちょおいびいたん=有名でした。「音うっちゅん」は「音立っちゅん」とも言う。
やいびいしが、頑固うや=ですけど、頑固なのは。「頑固う」と「頑固」に「う」を付けて伸ばすだけで、「頑固である者」の意味になります。
うぬ人びけんやあいびらんたん=その人だけではありませんでした。
うんにいぬ年寄い婆前たあや=あの頃のお年寄り、お婆さんたちは、
諸、かんぷう結うてぃ=みんな、髪を結い、
衣ぬん、うちなあすがいどぅそおいびいたる=衣の沖縄衣装をしていたのです。非丁寧文は「~そおたる」。「すがい(衣装)どぅ」の「どぅ」は前語を強調する助詞で、次にくる用言「そおいびいん」は連体形「そおいびいたる」で結びます。「すがい」は他に「つくろう」という意味もあります。
我っ達あんまあん、、婆前ん=私の母も祖母も、
頭ぬ頂から、足ぬ指迄=頭のてっぺんから足の指先まで、
全ち、うちなあすがいそおる時期ぬあいびいたん=完全に沖縄仕込だった時期があります。非丁寧文は「~あたん」。
戦時中、米軍なかい=戦時中、米軍によって
壕ぬ中から出じゃさりいる=壕の中から出される
沖縄人ぬ映像ん見ちん=沖縄人の映像を見ても、
うちなあ衣、着ちょおる人ぬ=沖縄衣装を纏っている人が
まどおる事ぬ分かやびいん=多いことが分かります。非丁寧文は「~分かゆん」。
また、明治ぬ初み頃んじ=また、明治の初め頃に、
禁じらったる女ぬ針突ん=禁止された女の針突い(手の甲にする刺青)も、
我が小学校時分迄え=私が小学生の頃までは、
婆前達ぬ手んかいや=おばあさんたちの手には、
諸うりぬあいびいたん=みんなそれ(刺青)がありました。非丁寧文は「~あたん」。
明治中ら生まりぬ=明治半ば生まれの
我ったあ、婆前ん=私の祖母も、
針突いやそおいびいたん=針突をしていました。非丁寧文は「~そおたん」。
うん如うし=このように、
沖縄人や大概=沖縄人は概ね、
頑固うやみせえいびいたん=頑固だったのです。非丁寧文は「~やみせえたん」。非尊敬語は「~頑固やたん」。
今ん、あんやいびいしが…=今もそうなのですが…。

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