うちなあぐち日記

うちなあぐちえ 聴ち美らさ 語い美らさ 書ち美らさ

 くた月(ちち)んあんやいびいたしが、今月(くんちち)ん、いっそうまぬうゎあちちぬとお、違(ちが)とおいびいん。
 いっそうまやれえ、霜月(しむちち)え、秋晴(あちばり)ぬまんでぃ、一年(いちにん)ぬ中(なあか)んじぇえ、でえじな、肌持(はだむ)ちん良(ゆ)たさい、暮(く)らし易(や)っさる節(しち)しちやる筈(はじ)やいびいしが、いいくる雨(あみ)びけん降(ふ)とおたる覚(うび)いぬあいびいん。また、夏(なち)ぬ如(ぐとぅ)、台風(てえふう)までぃん、通(とぅう)てぃ行(い)ちゃびいたん。
 また、師走(しわあし)なたれえ、あったに冷(ふぃ)じゅい小(ぐゎあ)ぬ入(い)っち、正月(しょうぐゎち)まんぐるぬうゎあちちぎさいびいん。今度ぬ冬ぬ天気(てぃんち)ぬさんみんなかいや、今度(くんどぅ)ぬ「冬将軍」や、根気(くんち)ぶらありそおんでぃぬ事(くとぅ)やたるむんぬ、今ぬ如(ぐとぅ)やれえ、却(けえ)てえ、勢(いちゅ)いぬ強(つう)こお無(ね)えやびらに。
 やいびいしが、冬お、なあだ始(はじ)またる直(ちゃあき)どぅやいびいる。
 寒(ふぃい)さ年(どぅし)がないらあ、温年(ぬくどぅし)がないらあ、なあだ分(わ)からのおあいびいん。

【語句】
くた月んあんやいびいたしが、今月ん=先月もそうでしたが、今月も 非丁寧文「~あんやたしが」。
いっそうまぬうゎあちちぬとお、違とおいびいん=例年の天候とは違います。非丁寧文「~違ゆん」。

いっそうまやれえ、霜月え、秋晴ぬまんでぃ=例年だと、11月は秋晴れの日が多く
一年ぬ中んじょえ、でえじな、肌持ちん良たさい=一年の中ではとても肌感触も良く
暮らし易っさる節しちやる筈やいびいしが=過ごしやすい季節であるはずなのですが、非丁寧文「~筈やしが」。
いいくる雨びけん降とおたる覚いぬあいびいん=雨だけ降っていたような記憶があります。非丁寧文「~覚いぬあん」。
また、夏ぬ如、台風までぃん、通てぃ行ちゃびいたん=そして夏同様、台風まで通過していきました。非丁寧文「~行ちゅたん」。

また、師走なたれえ、あったに冷じゅい小ぬ入っち=また、師走になったら、急に冷雨が降り
正月まんぐるぬうゎあちちぎさいびいん=正月の頃の天候のようです。非丁寧文「~ぎさん」。
今度ぬ冬ぬ天気ぬさんみんなかいや=今年の長期予報では、
今度ぬ「冬将軍」や、根気ぶらありそおんでぃぬ=今度の冬将軍はスタミナ不足だと
事やたるむんぬ、今ぬ如やれえ、却てえ=ことだったのに、今の調子では、むしろ
勢いぬ強こお無えやびらに=勢力は強くないですか。非丁寧文「~無えらに」。

やいびいしが、冬お、なあだ始またる直どぅやいびいる=ですが、冬はまだ始まったばかりですので、非丁寧文「やしが~」、「直どぅやる」。
寒さ年がないらあ、温年がないらあ=寒い冬になるのか暖冬になるのか
なあだ分からのおあいびいん=まだ、わかるわけではありません。非丁寧文「~分からのおあん」。

首里城甍
 
今日(ちゅう)ぬしてぃみてぃ、テレビ点(ち)きたれえ、うすまさるニュースぬ入(い)っち来(ち)ゃあびたん。

 首里城(うぐしく)ぬ燃(め)えとおんでぃち、アナウンサーやむさげとおいびいたん。ただぬ火事(くゎじ)ばあばあ小(ぐゎあ)どぅやるんでぃ思(うむ)とおいびいたしが、百歌添(むんだしい)ぬうすまさ、燃えとおる姿(しがた)ぬ映(うつ)とおいびいたん。アナウンサーぬ語いや、たった、まぎくなやあに、南(ふぇえ)ぬ御殿(うどぅん)、北(にし)ぬ御殿迄(までぃ)ん、諸燃(むるめ)えいそおんでぃぬ事やいびいたん。
 くれえ一大事(いちでえじ)な事なとおいんでぃ、思(うみ)いてぃん、如何(ちゃあ)んないるむのおあいびらん。「何(ぬ)が何(ぬう)んでぃち、何が何んでぃち」んでぃ、叫(あ)びやがなあ、肝(ちむ)ん肝ならん心地(くくち)なやびたん。
 やいびいしが、何時(いち)迄ん、気(ち)る垂(だ)いさい、肝暮(ちむく)りたいそおてぃん、何ぬ前あがちんないぬむのおあいびらん。
 うちなあんちゅぬ肝揃(ちむず)いさあに、必(かんな)じ、再建(まただてぃ)し、行(い)ちゅる如(ぐとぅ)、御衆様(ぐすうよう)、御(う)まじゅん、考(かんげ)えてぃ行ちゃびらな。
百万県民ぬ銭んでえ、募ちゃあしいしいねえ必ず再建ないびいん。

注:写真や早(ふぇえ)くに撮(ぬ)じゃる北ぬ御殿まんぐら。
注:「百浦添」ぬ「百」や「多くぬ」、「浦」あ「国、村、島」また「添」や「治」ぬ当て字やいびいん。やぐとぅ、「多くぬ村々、島々ゆ治みゆる」「御殿」んでぃぬちむええなとおいびいん。


【語句】
今日ぬしてぃみてぃ、テレビ点きたれえ=今朝、テレビをつけてみたら
うすまさるニュースぬ入っち来ゃあびたん=とんでもないニュースが飛び込んできました。非丁寧文「~来ちゃん」。

 首里城ぬ燃えとおんでぃち=首里城が燃えていると
アナウンサーやむさげとおいびいたん=アナウンサーは騒いでいました。非丁寧文「~むさげえとおたん」。
ただぬ火事ばあばあ小どぅやるんでぃ思とおいびいたしが=ただのボヤぐらいに思っていましたが、非丁寧文「~思とおたしが」。
百裏添ぬうすまさ、燃えとおる姿ぬ映とおいびいたん=正殿が激しく燃える映像がありました。非丁寧文「~映とおたん」。
アナウンサーぬ語いや、たった、まぎくなやあに=アナウンサーの話はどんどん大げさになり
南ぬ御殿、北ぬ御殿迄ん=南殿、北殿までも
諸燃えいそおんでぃぬ事やいびいたん=全焼しているとの事でした。非丁寧文「~事やたん」。

くれえ一大事な事なとおいんでぃ、思いてぃん=これは一大事だと思っても、
如何んないるむのおあいびらん=どうにもなるものでもありません。非丁寧文「~むのおあらん」。
「何が何んでぃち、何が何んでぃち」んでぃ=「なぜ、なぜ」と、
叫びやがなあ、肝ん肝ならん心地なやびたん=叫びながらも、心の置き所がない気持ちでした。非丁寧文「~心地なたん」。

やいびいしが、何時迄ん、気る垂いさい=ですが、何時までも気落ちしたり
肝暮りたいそおてぃん=滅入っても
何ぬ前あがちんないぬむのおあいびらん=何一つ、前に進む事はできません。非丁寧文「~むのおあらん」。

うちなあんちゅぬ肝揃いさあに、必じ=沖縄人の心を一つにして、必ずや
再建し、行ちゅる如、御衆様=再建していけるよう、皆様方、
御まじゅん、考えてぃ行ちゃびらな=一緒に行動しようではありませんか。非丁寧文「~行かな」。
百万県民ぬ銭んでえ、募ちゃあしいしいねえ=百万県民が募金すれば、
必じ再建ないびいん=きっと、再建はできます。

注:写真は以前に撮った北殿付近
注:百浦添」の「百」は「多くの」、「浦」は「国、村、島」また「添」は「治」ぬ当て字です。したがって、「多くの村々、島々を統治する」「御殿」という意味になります。

 組踊(くみをぅどぅい)『大川敵討(ううかあてぃちうち)』ぬ後世(ぬちぬゆう)んかい呉(くぃ)たるむのお、芝居(しばい、しばや)、民謡(ふぁうた)、琉歌(るうか)びけのおいびらん。
 他(ふか)ぬ組踊や、大概(てえげえ)や、八八八六調んでえぬ韻文(うた)ぬ形(かた)なかい作(つく)い書(か)かとっとおるむぬやいびいしが、『大川敵討』ぬばあや、泊(とぅまい)ぬ口(くち)ねえし、いいくる叫(あ)びい言葉(くとぅば)んあいびいん。ただ、あぬうっぴえあいびらん。んずみてぃ、長(なげ)えさある口調(あびいよう)やいびいくとぅ、実(じゅん)に、書(か)ち言葉(くとぅば)ぬしい様(よう)ぬ手本(てぃふん)とぅないびいん。
 我(わあ)、うちなあぐちぬ文言(むんぐん)ぬ肝加勢(ちむがしい)とぅんなとおいびいん。
 ただ、伊波普猷や、うんな泊ぬ口え、うり迄(までぃ)ぬ重(んぶ)らあさる組踊ぬ形(かた)とぅ、変(か)わとおんでぃち、自(どぅ)ぬ書ちぇえる書物(しゅむち)『琉球戯曲集』んじ、「いちゃんだ叫びいどぅやる」風儀(ふうじい)し、くじい物言(むに)いそおいびいん…。
 やいびいしが、我(わん)からしいねえ、いちゃっさ、あたらさる口やいびいくとぅ。あいびらん、昔(んかし)からぬ慣(なり)り破(やん)てぃ迄(までぃ)ん、うん如(ぐとぅ)うし、書ち残(ぬく)ちゃるうぬ久手堅親雲上や、でえじな、稀(まり)ねえぬ、また難(むちか)しいっ人(ちゅ)やたんでぃ、ちくぢく、思(うむ)やびいん。

 今(なま)ぬ「書ち言葉」あ、いっそうから、「棒線うちなあぐち」けえなとおいびいしが、長音(ながうん)や母音(ぶいん)しんでぃぬ書ち言葉ぬ精魂(しょうたまし)え、継(ち)じ行(い)ち欲(ぶ)しゃいびいん。

【語句】
組踊『大川敵討』ぬ後世んかい呉たるむのお=組踊『大川敵討』が後世に貢献したのは、
芝居、民謡、琉歌びけのおいびらん=芝居、民謡、琉歌だけではありません。非丁寧文「~あらん」。
他ぬ組踊や、大概や、八八八六調んでえぬ韻文ぬ形なかい=他の組踊は概ね、八八八六調等の韻文形式で
作い書かとっとおるむぬやいびいしが=書かれているもののですが、非丁寧文「~むぬやしが」。
『大川敵討』ぬばあや、泊ぬ口ねえし=『大川敵討』の場合は、泊のセリフのように、
いいくる叫びい言葉んあいびいん=少なからず、話し口調もあります。非丁寧文「~言葉んあん」。
ただ、あぬうっぴえあいびらん=だた、(話し言葉が)あるだけではありません。非丁寧文「~あらん」。
んずみてぃ、長えさある口調やいびいくとぅ、実に=とても、長さのある語り口調ですので、非丁寧文「~やくとぅ」。
書ち言葉ぬしい様ぬ手本とぅないびいん=書き言葉のあり方の手本ともなります。非丁寧文「~なゆん」。
我、うちなあぐちぬ文言ぬ肝加勢とぅんなとおいびいん=私の沖縄語文章にも勇気を与えています。非丁寧文「~加勢とぅんなとおん」。
ただ、伊波普猷や、うんな泊ぬ口え、うり迄ぬ=ただ、伊波普猷は、そんな泊のセリフについて、それまでの
重らあさる組踊ぬ形とぅ、変わとおんでぃち=格調高い組踊の形式と違うとなどと
自ぬ書ちぇえる書物『琉球戯曲集』んじ=自著の『琉球戯曲集』で、
「いちゃんだ叫びいどぅやる」風儀し=「いたづらに語をならべているだけ」みたいに
くじい物言いそおいびいん…=酷評しています。非丁寧文「~物言いそおん」。
やいびいしが、我からしいねえ、いちゃっさ=ですが、私からすれば、どれだけ、
あたらさる口やいびいくとぅ=貴重なセリフであることでしょうか。非丁寧文「口やくとぅ~」。
あいびらん、昔からぬ慣り破てぃ迄ん、うん如うし=いいえ、昔からの習慣を破って迄、そのように、非丁寧文「あらん~」。
書ち残ちゃるうぬ久手堅親雲上や、でえじな=書き残した久手堅親雲上は、すごく、
稀ねえぬ、また難しいっ人やたんでぃ=偉い、非凡な人だったのだと、
ちくぢく、思やびいん=つくづく思います。非丁寧文「~思ゆん」。
今ぬ「書ち言葉」あ、いっそうから=今の「書き言葉」は、すっかり、
「棒線うちなあぐち」けえなとおいびいしが=「棒線うちなあぐち」になってしまっていますが、非丁寧文「~けえなとおしが」。
長音や母音しんでぃぬ書ち言葉ぬ精魂え=長音は母音でという書き言葉の精神は
継じ行ち欲しゃいびいん=受け継いでいきたいものです
 
 
 

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